ブラジル政府が立ち上げる人工衛星による通信事業計画から、少なくとも現時点で、オイ(Oi)社が排除された。オイ社に変わって電話公社のテレブラスが事業を推進する。この人工衛星回線を利用したブロードバンドによるインターネット接続は、ブラジルが全国で進めている光ファイバーによるブロードバンド接続を補完する事業。
2010年にルーラ大統領(当時)は、ブラジルが運営する商用・軍用の人工衛星の利用に向けて国防省に、オイ社との提携検討を承認していた。
オイ社は、ブラジル資本で2基の人工衛星を運営するヒスパマル社の少数株主だが、軍部の国家主義勢力が安全保障の観点から国家資本の管理下で人工衛星が必要と主張した意見が通り、オイ社の参加が無効になった。
ネルソン・ジョビン国防大臣の辞任後、8月上旬に予定されていたオイ社と国防省の協議が中止されたこともフォーリャ紙の取材で判明。オイ社関係者によれば、この会議はジョビン前大臣との直接会議だったという。
ブラジルの国産人工衛星の建設コストは7億2,000万レアルで、サッカー・ワールドカップが開催される2014年に衛星軌道に打ち上げられる予定。
この人工衛星は、光ケーブル網による国家ブロードバンド計画(PNBL:Plano Nacional de Banda Larga)を補完するだけでなく、陸軍に対してもサービスを提供する。陸軍は現在、メキシコの大富豪でエンブラテル社とクラーロ社の社主でケーブルテレビ会社ネット社の最大株主であるカルロス・スリム氏のスター・ワン社と契約している。
国防省指揮管理副主任でもあるセルソ・ジョゼー・チアゴ大将はフォーリャ紙に対して、軍部はスター・ワンに対して、専用回線「Xバンド」の使用料として年間6,000万レアルを支払っているという。
さらに同大将は、専用回線を10年強レンタルするコストで衛星の建造コストを支払うことが可能と指摘。1998年のエンブラテルの民営化以来、軍は、陸軍の機密通信に使われる人工衛星通信の一部の管理を軍内部に確立することを要求ししてきた。(2011年10月9日付フォーリャ紙)