1997年にブラジルに進出した米国資本の投資ファンドAdvent社は、ブラジル国内のWalmart社の80%の株式買収を発表したが、日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)による独占禁止法に触れる可能性を業界関係者は指摘している。
ブラジル国内の小売販売では、マーケットシェアの6.4%を占めるCasino/Pão de Açucar社、3.1%のCarrefour社に次いで、Walmart社は2.6%のマーケットシェアで3位を維持しているにも関わらず、過去7年間連続で赤字を計上しており、早急な経営立て直しを迫られていた。
Walmart社は、ブラジル国内18州に438店舗を擁して昨年の売上は282億レアル、従業員総数は5万5,000人を抱えているものの競業他社の卸売販売戦略に後れを取っていた。
1997年にブラジルに進出した投資ファンドAdvent社では、大学教育部門進出としてKroton社を足掛かりにユニバーシティ部門では業界2位、また外食部門でもVienaグループやAssadoグループにそれぞれ10%の資本参加をしている。
また投資ファンドAdvent社は金融部門にも資本参加、メンテナンス用自動車部品Fortbras社、セルラー電話小売販売Allied社、イグアス―滝での観光サービス事業を行うCataratas do Iguaçu S.A 社並びにフェルナンド・デ・ノローニャ島での観光サービス事業を行うEcoNoronhaを傘下に収めて、ブラジル国内でのポトフォーリオを拡大している。
世界の小売業界のマーケットシェア比較では、Walmart社は3.3%でトップシェア、2位はAMAZON2.4%、ALIBABA1.3%、CVS0.8%、JD.COM.INCは0.8%を占めている。
Walmart社の米国での売上は3,463億2,900万ドル、カナダ205億3,700万ドル、メキシコ208億200万ドル、英国205億3,700万ドル、中国113億4,100万ドル、日本85億3,300万ドル、ブラジル69億6,200万ドル、チリ63億6,100万ドル、オーストラリア40億6,900万ドル、コスタリカでは22億2,900万ドルを記録している。(2018年6月5日付けエスタード紙)