就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の小売販売調査によると、今年上半期の小売店舗の閉鎖件数は、1万7,311店舗に達しているものの前年同期の6万7,211店舗から大幅に減少している。
2016年のブラジルの小売販売は、経済リセッションの景況を受けて前年比8.7%と大幅に減少して10万5,422店舗の閉鎖を余儀なくされていたが、今年の小売販売は、金利減少や一般消費者の延滞率の減少、勤続期間保障基金(FGTS)に積み立てられた凍結預金の引き出しが今年3月10日から開始、7月31日で終了した凍結預金が消費に回ったことで、前年比2.2%増加予想にも関わらず、小売業界では2万5,000店舗の閉鎖が予想されている。
ブラジル国内の小売販売の35%を占めるサンパウロ州内の今年の小売店舗閉鎖は、減少傾向になってきているものの緩やかなカーブで減少している一方で、州政府公務員への給与支払いや医療・教育・衛生などの公共サービス提供向け財源確保ができなくて、昨年6月に財政緊急事態宣言を余儀なくされたリオ州の小売店閉鎖は、継続して増加傾向となっている。
不動産価格動向を取り扱う「FipeZap」社エコノミストのEduardo Zylberstajn氏によると、小売販売は回復傾向を示しているにも関わらず、小売店舗が増加に転じるのは来年下半期まで遅れると予想している。
今年7月のサンパウロ州の小売販売は前年同月比マイナス2.7%、前記同様に建材や自動車を含む広範囲小売販売はマイナス0.6%、今年初め7か月間ではマイナス0.1%、0.7%増加、7月の過去12カ月間ではそれぞれマイナス1.9%を記録している。
2015年第1四半期の小売店開店から店舗閉鎖を差引いた小売店舗数は、前年同四半期比マイナス9,710店舗、第2四半期はマイナス1万8,119店舗、第3四半期はマイナス3万4,413店舗、第4四半期はマイナス3万9,674店舗を閉鎖件数が連続して増加していた。
しかし2016年第1四半期の小売店開店から店舗閉鎖を差引いた小売店舗数は、前年同四半期比マイナス3万7,179店舗に減少、第2四半期はマイナス3万32店舗、第3四半期はマイナス2万2,914店舗、第4四半期はマイナス1万5,297店舗、今年第1四半期は9,338店舗、第2四半期はマイナス7,973店舗と減少してきている。(2017年10月9日付けエスタード紙)