サンパウロ商業会(ACSP)の調査によると、今年5月のサンパウロ市の小売販売は前年同月比0.8%増加して今年初めて前年同月を上回ったが、昨年5月の小売販売は前年比でマイナス13.9%を記録していた。
今年1月のサンパウロ市の小売販売は前年同月比マイナス5.0%、2月はマイナス6.6%、3月はマイナス0.3%、4月はマイナス7.5%とインフレ並びに高金利、与信強化によるクレジットの縮小、一般消費者の景況感の悪化、実質賃金の減少などの影響でそれぞれ前年同月比ではマイナスを記録していた。
5月のサンパウロ市の小売販売がプラスに転じた要因として、営業日数が前年同月よりも1日多く、またクリスマスの小売販売に匹敵する「母の日」のプレゼント販売が牽引している。
5月の小売販売は、4月のキリスト復活祭並びにチラデンテス記念日祭日、ゼネストなどの影響で前月比では26.9%と大幅に増加、そのうち現金販売は40.4%増加、月賦販売は13.4%増加している。
また今年初め5か月間のサンパウロ市の小売販売は前年同期比マイナス3.6%を記録したが、昨年初め5か月間のサンパウロ市の小売販売は前年同期比マイナス13.0%を記録しており、経済リセッションからの回復傾向には程遠い。
今年初め5か月間のサンパウロ市の小売販売のうち月賦販売はマイナス4.0%、現金販売はマイナス3.1%を記録しており、高止まりしている銀行金利、記録的な失業率、一般消費者の景況感悪化が継続している。2017年6月3日付けエスタード紙)