銀行業務集中サービス会社(Serasa Experian)の調査によると、2016年の小売部門販売は、2年以上継続する経済リセッション並びに高金利、与信強化によるクレジット部門縮小、失業率の高止まり、低調な一般消費者の景況感などの要因で過去16年間で最悪となった。
銀行業務集中サービス会社(Serasa Experian)の小売販売調査は2001年から開始、昨年の小売販売は前年比マイナス6.6%と2002年の電力危機時のマイナス4.9%を上回る下落幅を記録している。
2015年の小売販売は前年比マイナス1.3%、昨年はマイナス6.6%と2年連続で前年を下回っており、小売販売は未だに底を打っていないと予想、小売販売の回復サイクル入りは銀行金利の引き下げ並びに失業率減少に比例して、早くても今年下半期以降になるとSerasa Experianエコノミストのルイス・ラビ氏は悲観的な見方をしている。
また小売販売がピークを記録した2014年の水準に戻るのは2020年になると予想、2015年並びに2016年の小売販売の減少幅を回復するには、4年間を要するとSerasa Experianエコノミストのルイス・ラビ氏はコメントしている。
2016年の小売販売セクターで最もダメージを受けたのは、クレジット販売が大半を占める二輪・四輪・自動車部品セクターで前年比マイナス13.0%と壊滅的なダメージを受けている。
2016年の自動車販売は前年比マイナス20%の205万台と2006年の水準まで低下、また繊維・衣料・履物セクターの小売販売はマイナス12.6%、2015年の繊維製品の生産は、2015年末からのドル高の為替で輸入製品が急増した影響でマイナス14.0%、昨年の生産はマイナス6.0%~7.0%とブラジル繊維工業会(Abit)のフェルナンド・ピメンテル会長は予想している。
昨年唯一小売販売が前年比を上回ったセクターは、経済リセッション並びにドル高の為替で航空機利用の国内外旅行から自動車旅行への切替の影響で、燃料・潤滑油セクターの小売販売は前年比1.8%増加していた。
昨年のセクター別小売販売比較では、建材セクターは前年比マイナス5.4%、スーパーマーケット・ハイパーマーケット・食品・飲料セクターはマイナス7.0%、家具・家電・情報機器セクターはマイナス11.1%となっている。(2017年1月10日付けエスタード紙)