ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、今年第3四半期の自動車や建材を含まない小売販売は、前四半期比マイナス1.7%を記録して依然として景気回復基調から程遠い。
また9月の自動車や建材を含まない小売販売は前月比マイナス1.0%を記録、9月の月間販売では、2002年以降で最低の小売販売を記録して景気の底を打っていない。
今年第3四半期の自動車や建材を含む広範囲小売販売は、自動車並びに建材販売が依然として大幅に落ち込んでいる影響で、前四半期比ではマイナス2.7%と第2四半期のマイナス2.4%からさらに悪化している。
2年以上継続する経済リセッションの影響を受けて失業率は依然として高止まりしており、またインフレ指数の高止まりによる実質収入減少、与信強化や高金利でのクレジット販売縮小の影響で、一般消費者は必要最小限の買い物やブランド品から低価格商品への購入切替を余儀なくされて支出削減に努めている。
今年第3四半期の自動車や建材を含まない小売販売の前四半期比のセクター別比較では、燃料・潤滑油セクターはマイナス2.2%、第2四半期のマイナス1.1%からさらに悪化している。
前記同様にスパーマーケットセクターはマイナス0.7%、0.5%増加、繊維・衣料・履物セクターはマイナス5.5%、0.8%増加、家具・家電セクターはマイナス3.7%、マイナス2.1%、医薬品・香水・医療機器セクターはマイナス2.1%、マイナス3.2%。
前記同様に事務機器・通信機器・情報機器セクターはマイナス1.4%、マイナス6.8%、書籍類・印刷物・製本セクターはマイナス2.9%、マイナス7.0%、その他の日用雑貨・装身具類 セクターはマイナス2.2%、マイナス0.8%。
今年第3四半期の自動車や建材を含む広範囲小売販売の前四半期比のセクター別比較では、二輪・四輪・パーツセクターはマイナス4.4%、マイナス7.2%、建材セクターはマイナス2.7%、マイナス2.4%となっている。
過去12カ月間のインフレ指数はサラリー調整率を上回って可処分所得の目減りや高止まりしている失業率で、一般消費者の景況感低迷が続いているとICATU VANGUARDA社チーフエコノミストのロドリゴ・アルヴェス・デ・メロ氏は説明している。
全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)では、今年の自動車や建材を含まない小売販売は前回予想のマイナス5.4%からマイナス6.0%に下方修正、自動車や建材を含む広範囲小売販売も前回予想のマイナス9.0%からマイナス9.5%にそれぞれ下方修正している。
10月のバスやトラックを含む新車販売は、前年同月比17.2%減少の15万9,000台に留まり、過去11年間で最低の販売台数まで落ち込んでいる全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)では発表していた。
また10月のクレジット販売は、未だに経済リセッションの影響を受けて前年同月比マイナス4.7%とブラジル・クレジット保護サービス(SPC Brasil)では説明している。(2016年11月11日付けヴァロール紙)