ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、8月の自動車や建材を含まない小売販売は、前月比マイナス0.6%を記録して依然として景気の底を打った兆候がない。
しかし8月の自動車や建材を含む広範囲小売販売は、前月比マイナス2.0%と大幅に減少、7月の前月比マイナス1.0%の2倍の落込みを記録して依然として経済リセッションからの回復傾向を示していない。
2年近く継続する経済リセッションの影響を受けて失業率は高止まりしており、またインフレ指数の高止まりによる実質収入減少、与信強化や高金利でのクレジット販売縮小の影響で、一般消費者は必要最小限の買い物やブランド品から低価格商品購入に切り替えて支出削減に努めている。
今年の自動車や建材を含まない小売販売は、前年比マイナス5.5%予想で統計を取り始めた2001年以降で、2015年のマイナス4.4%の最低記録を上回る落ち込みが予想されている。
過去数カ月間のクレジット販売が牽引する家具並びに家電、衣類、履物販売は、前月比マイナス2.7%を記録した一方で、実質賃金変動に左右されるスーパーや日用品販売は、前月比マイナス0.35%の落込みに留まっている。
みずほ銀行戦略アナリストのルシアーノ・ロスタグノ氏は、失業率上昇は2017年上半期まで継続すると予想、8月の自動車や建材を含む広範囲小売販売のマイナス2.0%は、第3四半期のマイナス2.6%に大きな影響を与えると予想している。
8月の小売販売の調査対象の8セクターのうち6セクターで前月比マイナスを記録、燃料・潤滑油セクターは前月比マイナス2.0%、前年同月比マイナス10.0%、前記同様にスパーマーケットセクターは0.8%増加、マイナス2.2%、繊維・衣料・履物セクターは同率、マイナス10.4%となっている。
また前記同様に家具・家電セクターはマイナス2.1%、マイナス9.3%、医薬品・香水・医療機器セクターはマイナス2.8%、マイナス3.8%、書籍類・印刷物・製本セクターはマイナス2.1%、マイナス15.1%、事務機器・通信機器・情報機器セクターはマイナス5.0%、マイナス9.0%、その他の日用雑貨・装身具類 セクターはマイナスマイナス1.2%、マイナス10.8%となっている。
8月の自動車や建材を含む広範囲小売販売は、前月比マイナス2.0%、前年同月比マイナス7.7%、前記同様に四輪・二輪セクターはマイナス4.8%、マイナス13.1%、建材セクターは1.8%増加、マイナス7.0%となっている。(2016年10月19日付けヴァロール紙)