BOA VISTA SCPC(信用保護サービスセンター)の調査によると、8月の小売販売は前年同月比1.1%増加して2015年4月以降では初めて増加、前月比でも1.5%増加している。
8月の過去12カ月間の小売販売は前年同期比マイナス4.7%を記録しており、BOA VISTA SCPC(信用保護サービスセンター)エコノミストのフラヴィオ・カリフ氏は、8月の小売販売は増加に転じて一息ついたにも関わらず、回復サイクル入りとは見ていない。
しかし8月の小売販売が増加に転じた要因として、クレジット販売が主流の家電・家具販売が前年同月比5.7%増加、前月比でも4.4%増加しているにも関わらず、家電・家具販売の増加要因が見当たらないとフラヴィオ・カリフ氏は説明している。
小売販売が回復するには失業率の低下並びにクレジット拡大、金利の低下が必要となるにも関わらず、失業率は依然として高止まり、クレジットは与信強化でさらに縮小、Selic金利も1年以上14.25%を維持している。
しかしラヴァ・ジャット作戦による一網打尽の汚職逮捕、テメル政権への期待、地方統一選挙の行方、聖域なき行政改革への期待、僅かながら企業経営者並びに一般消費者の景況感の改善並びに年末商戦に近づいていることも小売販売の回復兆しに結び付いている可能性がある。
全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)では、一般消費者並びに企業経営者の景況感の改善並びにインフレ指数の減少傾向が今年の小売販売の上方修正の要因となっていると見込んでいる。
6月の自動車並びに建材販売の除く小売販売はマイナス5.4%であったが、8月の予想はマイナス5.2%に改善、また自動車並びに建材販売を含む広範囲小売販売は前回予想のマイナス9.8%からマイナス9.4%に改善している。(2016年9月27日付けエスタード紙)