ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、7 月の自動車や建材を含まない小売販売は一般消費者の景況感改善にも関わらず、他の経済指標が依然として低迷しているために前月比マイナス0.3%を記録、小売販売の回復は2017年初めになると予想されている。
7月の小売販売は調査対象の8セクターのうち6セクターで依然としてマイナスを記録、今年初め7か月間の小売販売は前年同期比マイナス6.7%と大幅に落ち込んでいる。
7月の自動車販売が好転したにも関わらず、7 月の自動車や建材を含む広範囲小売販売は前月比マイナス0.5%を記録、過去20カ月間の広範囲小売販売のうち16か月がマイナスを記録している。
ローゼンベルグ・アソシアードス社チーフエコノミストのタイス・ザラ氏は、依然として高金利のクレジット並びに実質賃金の減少、高止まりするインフレ指数などの要因で、小売販売の底は第4四半期になると予想している。
小売販売の50%の比重を占める7月のスーパーマーケットでの小売販売は、前月比マイナス0.3%と前月の0.3%増加から反転して減少、スーパーマーケットでの小売販売は8月も減少すると予想、小売販売が回復サイクル入りするのは、食料品価格の値下げ並びに最低サラリー引上げが開始する来年1月以降になるとタイス・ザラ氏は予想している。
LCAコンスルトーレス社エコノミストのパウロ・ネーヴェス氏は、今年の自動車や建材を含まない小売販売は前回予想のマイナス5.0%からマイナス5.3%に下方修正、2017年の自動車や建材を含まない小売販売は前回同様に0.8%増加を予想している。
7月の自動車や建材を含まない小売販売の内訳は、繊維・衣料・履物セクターは前月比マイナス5.8%、前年同月比マイナス14.2%、前記同様に書籍類・印刷物・製本セクターはマイナス1.2%、マイナス18.6%を記録している。
また前記同様に家具・家電セクターはマイナス1.0%、マイナス12.4%、その他の日用雑貨・装身具類 セクターはマイナス0.9%、マイナス11.6%、スーパーセクターはマイナス0.3%、マイナス0.1%、燃料・潤滑油セクターはマイナス0.3%、マイナス9.9%とそれぞれマイナスを記録している。
7月の小売販売が増加に転じた2セクターとして、医薬品・香水・医療機器セクターは0.7%増加、マイナス3.2%、事務機器・通信機器・情報機器セクターは5.9%増加、マイナス12.9%となっている。(2016年9月14日付けヴァロール紙)