ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売販売調査によると、クレジット販売による金利上昇並びに高止まりするインフレ指数、実質賃金の減少、正規雇用の減少などの要因で、2015年の小売販売は前年比4.3%と大幅に減少して2001年から統計を取り始めて最悪の落込みを記録している。
また2015年の自動車ならびに建材を含む広範囲小売販売は、前年比8.6%と大幅に減少して2004年以降では最大の落込みを記録、経済回復が不透明な経済リセッションの継続が鮮明となっている。
14.25% に据え置かれた政策誘導金利(Selic)や1月のインフレ指数が1.0%を突破、新車販売の不振、世界的な株価の低迷や継続する国際コモディティ価格の低迷などの要因で、2016年上半期の小売販売は継続して低調に推移すると予想されている。
全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)エコノミストのファービオ・ベンテス氏は今年の小売販売は前年比3.9%減少、自動車ならびに建材を含む広範囲小売販売は7.8%減少を予想している。
2015年12月の自動車ならびに建材を含まない小売販売は、11月のブラックフライディーによる大幅割引セールの影響で前月比マイナス2.7%、前年同月比マイナス7.1%、2015年通期ではマイナス4.3%、前記同様に燃料・潤滑油セクターは0.5%増加、マイナス1.0%、マイナス6.2%、スーパー・食品・飲料・嗜好品セクターはマイナス1.0%、マイナス3.7%、マイナス2.5%であった。
また前記同様に繊維・衣料・履物セクターはマイナス2.1%、マイナス10.3%、マイナス8.7%、家具・家電セクターはマイナス8.7%、マイナス17.7%、マイナス1.4%、医薬品・香水・医療機器セクターは0.4%増加、3.1%増加、3.0%増加している。
前記同様に情報機器・事務機器・通信機器セクターはマイナス1.4%、マイナス14.9%、マイナス10.9%、書籍類・印刷物・製本セクターはマイナス9.1%、マイナス15.4%、マイナス1.7%、その他の日用雑貨・装身具類セクターはマイナス3.6%、マイナス7.9%、マイナス1.3%となっている。
また前記同様に自動車ならびに建材を含む広範囲小売販売はマイナス0.9%、マイナス11.0%、マイナス8.6%、そのうち四輪・二輪・部品セクターは0.4%増加、マイナス20.0%、マイナス17.8%、建材セクターは1.1%増加、マイナス13.0%、マイナス8.4%となっている。
サンパウロ州商業連合(Fecomercio‐SP)エコノミストのファービオ・ピナ氏は、11%近いインフレで実質賃金が大幅に減少、個人向けクレジットが8.0%減少、また昨年は160万人が失業して改善に兆しが不透明で、今年の小売販売は昨年並みに低調に推移すると予想している。(2016年2月17日付けエスタード紙)