ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2015年11月の自動車や建材を除く小売販売は、米国で感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日金曜日に当たるブラックフライディーでの大幅割引セールの影響で前月比1.5%増加、小売業界関係者の予想を大きく覆した。
実質賃金減少並びに失業率増加、金利上昇、延滞率増加による与信強化などの要因で一般消費が冷え込んでいるにも関わらず、今年以降の11月の月間小売販売は、ブラジルでもブラックフライディーによる大幅割引セールの定着予想でクリスマス商戦を上回る可能性が指摘されている。
小売業界のアナリスト17人による昨年11月の自動車や建材を除く小売販売調査では、最も楽観的な見方をしていたアナリストは前月比0.2%増加、一方で大半のアナリストによる平均売り上げ予想は前月比マイナス0.9%であった。
しかし昨年11月の自動車ならびに建材を含む小売販売は経済リセッションが継続していたにも関わらず、クリスマス商戦を前に分割払い向け耐久消費財購入が牽引して前月比0.5%増加している。
特にブラックフライディーでの大幅割引セールを展開した情報機器・事務機器・通信機器セクターは前月比17.4%増加、前年同月比ではマイナス5.6%、過去12か月間では0.9%増加となっている。
また前記同様に家具・家電セクターは6.9%増加、マイナス14.7%、マイナス12.3%、燃料・潤滑油セクターはマイナス0.3%、マイナス12.0%、マイナス5.1%、ハイパー・スーパーマーケットセクターはマイナス1.5%、マイナス5.7%マイナス2.3%となっている。
続いて繊維・衣料・履物セクターは0.6%増加、マイナス15.6%、マイナス7.6%、医薬品・香水・医療機器セクターは1.2%増加、2.0%増加、3.4%増加、書籍類・印刷物・製本セクターはマイナス0.7%、マイナス18.6%、マイナス10.3%、その他の日用雑貨・装身具類セクターは4.1%増加、マイナス4.8%、0.7%増加している。
前記同様に四輪・二輪・部品セクターは1.2%増加、マイナス24.5%、マイナス16.7%、建材セクターは0.6%増加、マイナス13.5%、マイナス7.3%、昨年12月の自動車や建材販売を含まない小売販売はマイナス2.8%、自動車や建材販売を含む広範囲小売販売はマイナス1.8%がそれぞれ予想されている。
2016年の自動車や建材販売を含まない小売販売は失業率の拡大や実質賃金の減少、更なる景況感の悪化で更に消費が冷え込むと予想されており、前年比マイナス7.8%、自動車や建材販売を含む広範囲小売販売はマイナス8.6%が予想されている。(2016年1月14日付けヴァロール紙)