サンパウロ州商業連合(Fecomercio‐SP)の予想によると、2016年のサンパウロ州小売業界の売上総額は前年比5.1%減少の5,040億レアルに留まると予想、今年は前年比7.0%減少の5,307億レアルが予想されている。
サンパウロ州商業連合(Fecomercio‐SP)では、来年のブラジルのGDP伸び率はマイナス3.0%と今年に引き続いて同率の経済停滞になると予想、2年連続でのGDP伸び率マイナスは、1930年以来の経済リセッションに陥っているとFecomercio‐SPのアントニオ・カルロス・ボルジェス取締役は説明している。
またFecomercio‐SPでは、来年のインフレ指数を7.0%、今年は10%、前記同様にSelic金利は14.00%、14.25%、ドルの為替はR$4.20、R$4.00、個人向けクレジットは前年同様マイナス5.0%、サラリーは前年同様マイナス3.0%をそれぞれ予想している。
ジウマ・ロウセフ大統領に対する罷免請求による大統領退陣の可能性など先の見通せない政治問題で国際的な信用下落、財政再建政策の停滞、商業銀行の金利上昇に伴うクレジット金利の上昇、インフレ高騰による一般消費の冷え込みや失業率増加などの要因で、現在のブラジルの信用格付け変更をアントニオ・カルロス・ボルジェス取締役は憂慮している。
10月中旬に格付け会社フィッチは、ブラジルの信用格付け「BBB」から1段階引き下げて投資適格級としては最低の「BBB-」を付与して投資適格級をかろうじて維持しているにも関わらず、2016年初めに投機的等級の「BB+」に格下げされる可能性が現実的になってきているとアントニオ・カルロス・ボルジェス取締役は予想している。
2015年のサンパウロ州小売販売部門調査では、30セクターのうち医薬品・香水セクター並びにスーパーマーケットセクターは前年比2.0%それぞれ増加予想、しかしその他の18セクターでは軒並み前年を下回ると予想されている。
2015年の自動車部品・アクセサリーセクターの小売販売は前年比マイナス3.0%の103億7,600万レアル、自動車販売ディーラーセクターは前年比マイナス16.6%の633億7,700万レアル、家電・電気機器・デパート小売りセクターはマイナス15.1%減少の439億2,400万レアル、建材セクターはマイナス12.2%減少の380億7,300万レアルとなっている。
前記同様に家具・装飾セクターはマイナス11.8%の75億5,400万レアル、衣類・繊維・履物セクターはマイナス461億4,100万レアル、その他の小売りセクターはマイナス9.9%の1,105億6,400万レアル、医薬品・香水セクターは前年比2.0%増加の357億8,400万レアル、スーパーマーケットもセクター前年比2.0%増加の1,749億200万レアルであった。(2015年12月7日付けヴァロール紙)