連邦政府による貧困層から中間層への引上げ政策導入のための製造業部門への減税政策の導入、インフレ指数以上の最低サラリーの調整、銀行の低金利、与信緩和によるクレジット拡大で2008年~2012年にかけて消費ブームが続いていた。
自動車部門などへの減税政策中止、インフレ抑制するための高金利政策の継続、クレジット延滞率増加に伴う与信強化、失業率増加などの要因で、一般消費者の景況感悪化に伴って今年の小売販売は壊滅的な打撃を被っている。
今年初め9か月間の家電・家具小売チェーンの解雇総数は、約4万人に達して裾野産業の広い自動車部門の1万900人の4倍近い解雇数を記録、例年、年末商戦向けに小売チェーンでは多数の臨時雇用を創出してきたにも関わらず、今年は臨時雇用増加が期待できない。
家電・家具小売チェーンを牽引するトップのカーザ・バイア並びにポント・フリオチェ-ンを擁するVia Varejo 社では1万1,000人を解雇、小売チェーン2位のMagazine Luiza並びに3位の Maquina de Vendas社は、今後数か月間に亘って従業員解雇を行うと予想されている。
ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、9月の過去12か月間の小売販売はマイナス6.0%、今年初め9か月間の小売販売はマイナス7.4%とそれぞれ大幅に落ち込んでいる。
9月の過去12か月間の家電・家具小売販売は、経済リセッションによる失業率増加で一般消費者の景況感が悪化して前年同期比マイナス9.6%%、今年初め9か月間の小売販売はマイナス13.0%と自動車部門に次ぐ落込みを記録していると、Brasil Plural銀行アナリストのギリェルメ・アシス氏は説明している。
ミナス州地方都市で家電・家具販売チェーンを展開するEletro Ema社は17店舗、 Eletrosom社は36店舗をそれぞれ閉鎖して会社再生法を申請。またパラナ州アラポンガ市に拠点を置くDarom社も会社再生法を申請中、サンパウロ州地方都市で家電・家具販売チェーンを展開するCybelar社は、販売不振で年末までに10店舗の閉鎖を余儀なくされている。
今年初め9か月間の家電・家具販売チェーン売り上げは前年同期比マイナス13.0%、従業員解雇数は3万9,750人、前記同様に事務機器・通信機器・情報機器売り上げは1.5%増加、3,632人、その他の身の回り品・家庭用品販売はマイナス1.5%、3万3041人、繊維・衣類・履物はマイナス7.3%、9万9,785人となっている。
またスーパーマーケット・食品・飲料・嗜好品はマイナス2.3%、従業員解雇数は1万61人、書籍類・印刷物・製本はマイナス9.7%、6,035人、四輪車・二輪車・部品はマイナス16.1%、2万8,831人、建材はマイナス6.4%、1万344人、唯一医薬品・香水・化粧品は家電・家具販売チェーン売り上げは3.6%増加、雇用は1万240人増加している。(2015年11月16日付けエスタード紙)