ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、8月の小売販売は前月比マイナス0.9%と7か月連続で前月比を割り込んで2001年以降では最悪を記録、また前年同月比ではマイナス6.9%と2003年3月以降では最大の落ち込みを記録している。
全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)では、今年の小売販売は、前年比マイナス3.6%予想で2003年のマイナス3.7%に次ぐ落込みを予想、Fator銀行では今年の小売販売をマイナス4.4%と予想している。
テンデンシアス・コンスルトリア社では今年の小売販売は前年比マイナス4.1%と予想、しかし米国の習慣を採用した毎年11月第4木曜日に催される感謝祭(Thanksgiving Day)翌日のブラックフライデーやクリスマス商戦が低調に推移すればマイナス4.3%迄落ち込むと同社エコノミストのロドリゴ・バジ氏は危惧している。
今年の小売販売不振の要因として、一般消費者の景況感の悪化並びに高止まりするインフレ、政策誘導金利(Selic)上昇に伴うクレジット金利の高騰、製造業部門の在庫調整に伴う失業率の上昇、実質賃金の減少、家庭の負債増加などの要因で可処分所得の減少が大きな比重を占めている。
8月の自動車や建材販売を含まない小売販売は前月比マイナス0.9%、自動車や建材販売を含む広範囲小売販売はマイナス2.0%、前記同様に前年同月比マイナス6.9%、マイナス9.6%、今年8か月間の累積はマイナス3.0%、マイナス6.9%、過去12か月間の累積はマイナス1.5%、マイナス5.2%となっている。
自動車や建材販売を含まない小売販売のセクター別比較では、8月の燃料・潤滑油セクターは前月比マイナス1.3%、前年同月比マイナス7.2%、今年8か月間ではマイナス3.9%、過去12か月間ではマイナス1.5%となっている。
前記同様にハイパー・スーパーマーケットセクターはマイナス0.1%、マイナス4.8%、マイナス2.3%、マイナス1.7%、繊維・衣料・履物セクターはマイナス1.7%マイナス13.7%、マイナス6.6%、マイナス4.3%となっている。
前記同様に家具・家電セクターはマイナス2.0%、マイナス18.6%、マイナス12.4%、マイナス8.2%、医薬品・香水・医療機器セクターは0.6%増加、1.1%増加、4.2%増加、5.6%増加、書籍類・印刷物・製本セクターはマイナス2.6%、マイナス15.6%、マイナス9.2%、マイナス9.3%、事務機器・通信機器・情報機器セクターは1.0%増加、マイナス7.1%、5.9%増加、4.7%増加、その他の日用雑貨・装身具類セクターはマイナス0.2%、マイナス2.9%、2.6%増加、4.45増加している。
また前記同様に広範囲小売販売の自動車・オートバイ・自動車部品セクターはマイナス5.2%、マイナス15.7%、マイナス15.4%、マイナス12.9%、建材セクターはマイナス2.3%、マイナス9.1%、マイナス5.6%、マイナス3.8%となっている。
自動車や建材販売を含まない小売販売の約50%の比率を占めるスーパーマーケットの小売販売の落ち込み要因として、食料品価格がインフレ指数以上に上昇したことが大きな比重を占めている。(2015年10月15日付けエスタード紙)