インフレ並びに銀行金利の上昇、実質賃金の減少などの要因で小売部門やサービス部門の売上減少に伴って同部門の失業率が上昇を継続しており、ブラジル国内経済の停滞が深刻な状況となっている。
全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の調査によると、小売部門では正規雇用者18万1,300人が減少、就労・失業者管理センター(Caged)の調査によると、自動車や建材セクターを含む広範囲小売部門の正規雇用者は10万600人減少している。
ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると、7月の正規・非正規雇用者は前年同月比6万2,000人減少、6月の6大都市圏の正規・非正規雇用者は前年同月比20万8,000人減少している。
今年初め5か月間のリオ市では前年同月比33%増加に相当する1,280店舗の小売商店が閉店に追い込まれており、1万3,000人~2万人が失業したと予想されている。
また今年初め5か月間のサンパウロ市の小売部門では5万7,000人が失業して過去最悪の状況となっており、大型小売チェーン網でも例外ではなく、小売チェーン網Casas Bahia 並びにPonto Frio を擁するA Via Varejoでは第2四半期に4,800人の従業員の解雇を余儀なくされていた。
一般家庭の実質収入減と負債増加に伴って消費削減を余儀なくされている影響で、小売チェーン網Pao de Acucar並びに Extra を擁するPao de Acucarグループは、今年4月~6月に7,000人の従業員解雇を余儀なくされていた。
ブラジルレストラン・軽食協会(Abrasel)の調査によると、平均昼食代が30レアル~70レアルのレストランの売上は20%~30減少して最も売上が減少しているが、唯一平均昼食代が20レアル以下のレストランの売上は増加している。
ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると、小売部門やサービス部門の経営者は従業員に対して低サラリーでの再雇用を進めているために、7月の小売部門の実質平均サラリーは前年同月比3.6%減少、サービス部門は1.9%減少している。(2015年9月9日付けエスタード紙)