ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると、6月の小売販売は前月比マイナス0.4%、今年上半期の小売販売は前年同期比マイナス2.2%を記録して2003年以降では最低となっている。
自動車ならびに建材販売を含まない今年1月以降の小売販売は前月比でマイナス記録を継続、特に第2四半期の小売販売は低調に推移して今後の小売販売の回復の見通しは不透明となっている。
中国経済停滞や不透明なギリシャ財政危機の回避などの外的要因、高止まりするインフレや銀行金利上昇による一般家庭の消費停滞、失業率増加に伴う景況感の悪化で小売販売は低調に推移していると全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)エコノミストのファービオ・ベンテス氏は危機感を強めている。
全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)では、今年の小売販売はマイナス2.4%と過去12か月間では最高の落ち込みを記録すると予想しているが、コスト上昇に伴う製品価格は据え置かれている。
また過去12か月間でレアル通貨に対するドルの為替は50%以上上昇したにも関わらず、輸入原材料価格の高騰や人件費コストの上昇による最終価格への転嫁をすれば益々小売販売は減少するために、自動車や家電、輸入コンポーネントなどの耐久消費財の小売販売価格は僅かに3.2%増加に留まっている。
第2四半期の小売販売は前年同期比マイナス3.5%を記録、6月のスーパーやハイパーマーケットの小売販売は前月並みに推移、しかし6月の自動車や建材を含む広範囲小売販売は前月比マイナス2.8%と大幅に落ち込んでおり、また7か月連続で前月を下回っている。(2015年8月13日付けエスタード紙)