ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査によると、2014年12月の小売部門の伸び率はクリスマス商戦にも関わらず、前月比マイナス2.6%を記録、2014年の小売部門の伸び率は前年比2.2%増加にとどまって過去11年間では最低の伸び率を記録している。
2014年の小売部門の伸び率が低調にとどまった要因として、銀行金利上昇に伴ってクレジット金利が上昇、インフレ高騰による一般消費の冷え込みや国内経済の停滞による低調な雇用創出が影響しており、また今年の小売部門の伸び率は昨年よりも高い金利や雇用の減少などで更に悪化すると予想されている。
2014年の小売部門の伸び率が僅かに2.2%にとどまった要因として、ワールドカップ開催による営業日数の減少や大統領選挙の結果を見極めるための一般消費者の購入の先送りなども小売販売の減少に結びついている。
テンデンシアス・コンスルトリア社のアナリストのロドリゴ・バッジ氏は、雇用創出の減少やインフレによる消費の冷え込みの影響で、今年の小売部門の伸び率は0.4%増加にとどまると予想している。
しかし全国商業連合(CNC)では今年の小売部門の伸び率を1.7%増加と楽観的な予想をしている一方で、リオ州商業連合(Fecomercio RJ)では、第2次ジウマ政権のジョアキン・レヴィ財務相の新経済政策の効果が出始める2016年からの回復を予想している。
ブラジル地理統計院の月間雇用・給与調査では、昨年のサラリーマンの実質賃金上昇率は前年の2.4%増加から1.4%増加に減少、個人向けクレジットは前年の7.8%増加から4.7%増加にそれぞれ減少している。(2015年2月12日付けエスタード紙)