工業製品にまだ残されている市場を失うという差し迫ったリスクを回避し、一次産品を輸出するための条件を回復するため、ブラジルは、より完全で一層効果的な貿易マネージメントを早急に確立する必要がある。
そのために我々は、通商開発省が策定して政府当局により明らかにされた再編の提案に対して、真剣に取り組まなければならない。そのコンセプトは、輸出支援計画の運用を集約化すること、戦略の策定に対する効率を高めること、意思決定と技術的な対策の導入にあたって煩雑な手続きを低減すること、そのために貿易会議所(Camex)を審議会に置き換えることだ。もしジルマ・ロウセフ大統領がこのアイデアを採用するなら、財務省の役人にとって、国外から送金される資金に対する短期的な懸念は低減されるだろう。これに伴って輸出業者への保護が厚くなり、事業計画の策定も容易になるだろう。
この改革には、輸出に融資する公的ファンドの設立も含まれる。国庫管理局は現在もやっているようにProexの継続に貢献するだろうが、融資に対するリターンは一般会計に組み込まれる代わりにファンドに組み入れられて次の融資の財源になる。この提案には、社会経済開発銀行(BNDES)と連携するであろうブラジル版輸出入銀行の設立も盛り込まれている。こうした発想は、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領時代の連邦政府でも提議されたが、一度たりとも実現に向けて動き出さなかった。
この場合、貿易戦略がどうあるべきかという長期政策と、日々の財政政策といった短期的な見方に特有の懸念とが混同されてしまうこともない。通商開発省によると、Proexを通じた融資への需要に応じるには、今年、28億レアルが必要になる見込み。ところが国庫管理局は、予算をわずか8億レアルに削減した。
予算のバランスを長期的にとるという目標に向かうことは、当然ながら必要だ。しかしそれだからこそ、政策が仕分けされてしかるべきだろう。プライオリティーに応じて公的資金の分配を調整することは不可欠だし、加えて、最重要案件の1つが輸出の拡大であることには疑問の余地もない。
強大な貿易大国ではいずれも、貿易は、行政にとって最も立派な目的の1つだ。ところがブラジルにおける貿易問題は、複数の省にまたがるために混乱し、非効率なものになっている。外務省と大統領府執務室の国際担当補佐官は、発展途上国の中で指導的立場を確保するといった、時には空絵事の政治上の目的やイデオロギー上の判断に対してブラジルの貿易戦略を利用しようとする。また財務省は、税金と負担金の削減、融資の実施で示される財政目標にあてはめようとする。通商開発省は、このパワーゲームにおける影響力は小さいが、定期的に工業政策に関するプランを立ち上げては種々の公約を中途半端に実施してひっかきまわす。
これらが集まると、為替におけるレアル高と輸入の高進、不当な競争、繰り返されるアルゼンチンの保護貿易主義的行為といった日々の圧力に対して、非効率で混乱をきわめた対処につながる。時には、世界貿易機関におけるブラジル代表部までもが、例えば、輸入車あるいは国産化比率が65%未満の国産車への課税率引き上のような、想像を絶する素人丸出しの対応をしたニュースに接して驚かされるのだ。
通商開発省の提案に一定の理解を示しているところを見ると、ジルマ・ロウセフ大統領自身もあるいは、より機能的に貿易をマネージメントするために必要な改革推進が、難しいのかもしれない。
成長政策に関して話題が次から次に立ち上がるものの、複雑に入り組んだ課題のマネージメントに関して政府は、依然として、恒久的活動と長期的活動の方向性を一致させることができずにいる。しかし通商開発省内で立案された改革の提案でも、控えめ過ぎる。徹底した改革のためには、より広範囲まで対象とし、かつ、貿易政策はより実利的なものとし、他の貿易立国と同様に、他の外交交渉目的とは距離を置く必要がある。(2012年3月25日付エスタード紙社説)