特に一大消費地から遠距離の州政府は、製造業を発展させて雇用創出を拡大する目的で企業誘致をするにあたり、商品流通サービス税(ICMS)に対する優遇措置を進出企業に適用するため、州政府間の税金戦争(Guerra Fiscal)と呼ばれている熾烈な企業誘致合戦が展開されている。
最高裁判所(STF)が23件のICMS税の優遇措置に対して違憲と決定した昨年6月から、各州政府は朝市の終了間際のように、企業誘致のためにICMS税率を大幅に引き下げて、駆け込み需要の取込み競争の様相となってきている。
昨年6月以降、企業誘致を最優先している州では、進出企業に対してICMS税を90%から100%カット、州政府にとって重要な歳入を無視して必死になって企業誘致を行っている。
サンパウロ州政府のアンドレア・カラビ財務局長は、「まるで朝市の終了間際の投売の様相」とコメント、パラナ州政府のルイス・カルロス・ハウリ財務局長も「最高裁の違憲の判定にも関わらず、税金戦争が終結するどころか悪化してきている」とコメントしている。
全国州財務局長協議会(Confaz)のコーディネーターであるマラニョン州政府のクラウジオ・トリンシャン財務局長は、最高裁の違憲の決定で企業誘致に関する不透明感が増加したために、進出企業の誘致の受け入れができないとコメントしている。
全国工業連合(CNI)のロブソン・アンドラーデ会長は、「州政府や連邦政府は、支出をカバーするために税収入を増加したいにも関わらず、企業誘致のために優遇税制を与えている。不合理でバカげたことだ」と指摘している。
工場移転が比較的しやすい繊維並びに医薬品製造業は、一定期間ごとに他の州へ移動して、新たにその州の優遇税制を受けているとアンドラーデ会長は説明している。
アンドラーデ会長は、「私であれば、違憲と判断されて混乱が生じている現在は、優遇税制を受けるためだけに、膨大な投資が必要な製鉄所の他州への移動は行わない」とコメントして、税金戦争は経済を混乱させている原因になっていると評価している。
最高裁から違憲と決定された23件の優遇税制を指摘されたのは、リオ州政府並びに南マット・グロッソ州政府、サンパウロ州政府、パラナ州政府、パラー州政府、エスピリット・サント州政府、連邦管轄直轄地となっている。(2012年3月19日付けエスタード紙)