2011年のブラジル経済は、低い成長率と高いインフレ率、国際収支の悪化を特徴とした。ブラジル地理統計資料院(IBGE)が6日に発表した統計によると、国内総生産(GDP)はわずか2.7%の成長率。反対にインフレ率は6.5%というターゲットの上限に達した。物価は、原油と各種金属、農産物の国際相場が上昇したという理由だけでなく、強い国内消費によっても押し上げられた。加えて、国際収支も悪化した。財とサービスの輸出額が4.5%上昇した反面、輸入に伴う支払いは9.7%増加。国際収支黒字は2011年に0.7%の増加にとどまり、またもやGDPの成長の足を引っ張った。こうした傾向は既に過去数年にわたって観測されており、2012年も、1―2月期の推移から判断する限り、政府内でも民間でも、状況は更に悪化するという見方が広まっている。
もし国内需要にのみ依存していたと仮定した場合、IBGEのデータによると、ブラジル経済は3.4%成長していたことになる。しかしながら工業は、コストの上昇と為替相場におけるドル安レアル高が原因で、消費者の貪欲な消費意欲に対応するだけの十分な能力がなかった。レアル高により国産品は、その価格をドル建てあるいはユーロ建てにした場合、更に高価なものになった。その上、ドル安は、利益と配当の国外送金だけでなく、同様に国際収支に影響する、外国旅行を活発化させた。
ブラジル経済は、明確な形で、2つの方向に向かって分裂している。一方は家計消費で、雇用の拡大と給与総額の実質4.8%の増加、個人向け融資が前年と比較して18.3%伸びたことに後押しされ、4.8%増加した。反対に工業生産は、外国製品に圧倒される格好でわずか1.6%の増加にとどまり、サービス業の成長率も2.7%。もし輸入品が、消費者の求める需要のかなりの部分に対応していなければ、インフレ率は確実に目標の上限だった6.5%を突破していただろう。
政府は、機械と設備、土木建設、公共工事に対する投資が4.7%拡大したことに関して、明るい話題だと評価し、この数字をポジティブなものと指摘している。楽観的な表現をするならば、GDP成長率は生産の強化に対する資金の投下によって引き上げられたものであり、したがって、ブラジルは正しい道を歩んでいるわけだ。しかしながら、IBGEの計算に従うなら投資はGDPの19.3%に相当していただけであり、インフレ圧力また深刻な対外収支バランス不均衡を伴わずに5%以上の成長率を達成するに必要な水準には、遠く及ばない状態で推移している。
その最低水準の投資は、独立系の専門家と政府のエコノミストの計算を平均すると、GDPに対してほぼ24%に相当する規模が必要。しかも生産能力の拡大と製造業の近代化という目的に照らせば、過去数年に実際に投下された投資と求められる最低限の投資との溝が、唯一の課題というわけでもない。国内貯蓄は昨年、GDPの17.2%に相当する水準だった。そこで、貯蓄額と投資額の差額は、国外からの資金でカバーされた。
スタート時点では、投資のために国外の貯蓄から資金を調達することには問題はない。しかし貯蓄率と、大きな格差が生じるリスクを伴わない経済成長のために必要な投資との距離は、現在、極めて大きい。それは主に、支出に対する政府の浪費傾向に由来する。この傾向により、公共部門の貯蓄能力は制限を受け、同時に、税制の抜本的な見直しも困難になっている。過度の課税と不出来な制度により、機械と設備の調達コストを引き上げ、結局、民間投資を制限しているのだ。とりわけ公共部門を中心にした低い貯蓄率は、ブラジルの実質金利の引き下げを困難にすると同時に、企業に対しては、生産に向けて努力するという政策の重要性を粗略にしてしまう。こうした検証は既に数日前、国際通貨基金のエコノミストたちの研究によって確認された。要約しよう。2011年のブラジル経済のデータは、景気の問題と位置づけられるよりも深刻だったことを示している。非能率的で無能な政府の性癖に関連づけられた欠陥を反映している。この国は、2011年以上の経済成長を達成する軌道に復帰する可能性はあるが、これまでのパターンが続く限り、飛躍は構造的な限界の範囲内に限られる。(2012年3月7日付エスタード紙 コラム記事)