2月29日に、欧州中央銀行(ECB)は2回目となる3年物資金の供給オペを実施して、金融機関に5,290億ユーロを供給すると発表した。海外投資家は、欧米の金融緩和政策導入によって海外で低金利の資金調達をして、Selic金利が10.50%とインフレ分を差引いた実質金利が世界トップのブラジルに大量の投機的投資を行っているために、益々、レアル高の為替に傾いている。
昨日、連邦政府は、通貨レアルの急速な上昇を抑えるため、国内企業が海外から融資を受けるときに課税される金融取引税(IOF)の対象を、これまでの期間2年の融資から期間3年の融資に拡大すると発表した。
またこれらのドル流入に対する措置の発表以外にも、更に中銀がドル介入を実施したために、昨日のレアル通貨の終値は、僅かに減少してR$1.712とドル高になった。
また昨日の夜、中銀のアルド・メンデス金融政策局長は、大量のドル流入とレアル高に歯止めをかけるため、輸出前受金(PA)の借入に関して、海外からの360日以上の借り入れについては、税率6%のIOFをかける。360日以下の短期資金については課税の対象外になると述べた。
ジウマ・ロウセフ大統領は、一部先進国の金融緩和措置がブラジルをはじめとする新興国に資金を大量流入させ、通貨高や輸出競争力の低下といった問題を引き起こしていると指摘。「ブラジルは、不公平な競争条件の元である拡張的金融政策が引金になって通貨戦争に直面している」と述べた。また一部の先進国が低利資金の「ツナミ」によって、ブラジルなどの新興国を食い物(カニバリゼーション)にしようとしていると激しく批判した。
マンテガ財務相はIOFの対象拡大について、「世界的な通貨戦争」に対する防衛措置の一環との考えを示し、ブラジルのレアル相場の上昇の阻止に向けて、必要に応じて追加措置を仕掛ける用意があると強調している。しかし海外投資家の長期投資となる製造部門向けの対内直接投資は大いに歓迎している。(2012年3月2日付けエスタード紙)