ギド・マンテガ大臣が27日、またもや保護貿易論者として新たな詭弁を発表した。今回は、繊維業界への特別扱いだ。
その主張は、不当な競争を強いるダンピング価格あるいは原価割れの価格が設定された輸入品の包囲網にブラジル国内の生産者が苦しめられているというもの。
この状況に対する回答として政府は、関税制度を変更することにした。輸入額に対する輸入関税(従価税)を徴収する代わりに、重量に対して課税(従量税)する。その意味するところは、何だろうか。
言うなれば政府は、輸入品が原価割れした価格で持ち込まれる状態を見極める(さらに処罰する)能力に欠けていることを認めたわけだ。同じく、アンチダンピングへとしての対応ならば、国際貿易の保安官たる世界貿易機関(WTO)がこの対応を予め定めているのであるが、そうした不当な競争状況に対して想定された手段で国内生産者を保護することができないということを、認めたことになる。
従量税と非従価税は、すでに貿易協定に反するとの評価を受けている。実際のところ、WTOによって認められた35%の上限を超えた課税率が実行される。ブラジルはあらゆる国に、ジュネーブではブラジルを訴え、続いて、ブラジルへ報復を課す理由を与えたことになる。通関基準を大きく変更するこの政策により、ブラジル政府は、従価税だけを想定するメルコスルの諸協定とも敵対することになる。
いずれにしても、この対策は深刻な先例だ。繊維製品に限らず、あらゆる業界が同じ税待遇を要求する理由を与えるきっかけになる。そこには、コンピュータ、ICチップ、電子コンポーネント、自動車部品、機械設備、その他、どのようなものでも、品質の違いなど考えずに重量に対して課税することを求め始める。
間違った問題に対する見当違いの反撃であるため、政府の主張する詭弁はさらに深刻だ。是正すべき大きな歪みは、想定外の中国製品の不当競争ではなく、むしろ、ブラジルの製造業全体に及ぶ低い生産性と低い競争力であり、それは、繊維業界だけにとどまらない。
ブラジル製品は極めて高価であるが、それは、ブラジル・コストが諸外国の生産コストと比較して並はずれて高い水準にあるからだ。それは、耐え難いほどの税負担と、回転資金の調達コストの高さ、焼けつくような高金利、時代遅れで不十分なインフラ、企業の給与支払いに課される重すぎる社会的責任、遅々として進まないブラジルの訴訟、三権の汚職、目を覆いたくなる官僚主義的構造、その他の諸事情によるものである。
とりわけ競争相手が国内で認められたことも認められないことも押し通してしまうような経済危機の状況下において、ブラジルの繊維業界が不当な取引から保護されるべき唯一の業界というわけではない。しかも実際に保護したとして、その判断により国産品の競争力が高まることもない。この対策により、輸出の条件が改善されるブラジルの工業部門など存在しない。反対に、国外からさらなる報復の対象になるだろう。
今回の判断の最大の現実的な影響は、高いブラジル・コストという政府が取り組む勇気を持たない真の問題が原因で崩壊させられた産業に、市場の分け前を保証するということだろう。
2011年における経済上の最善の結果の1つは雇用水準で、11月には経済活動人口のわずか5.2%に低下した。これは、IBGEが2002年に国際的な評価基準を採用してデータ集計を開始して以降で、最低である。この結果は、あらゆる経済政策が目標とする完全雇用状況と言えるが、副作用として2つの問題を呼び起こしている。ひとつは、雇用コストに対する圧力で、ブラジルの製造業の競争力を奪うもの。もうひとつは、避けがたいインフレ圧力で、生産実績以上の消費を促す政策によるものである。(2011年12月28日付けエスタード紙)