金融スペシャリストの大半は昨日の中銀の通貨政策委員会(Copom)で政策誘導金利(Selic)の据え置きを予想していたにも関わらず、予想外の0.5%の利下げを決定したために、中銀がプラナルト宮の政治圧力に屈したのではないかと疑問視している。
42日前の前回のCopom会議まで中銀はインフレ圧力増加に伴って、金融引締め政策として、今年連続5回に亘ってSelic金利を1.75%の大幅利下げを継続していたが、世界情勢の再評価で先進国経済の成長見通しが総じて大幅に下方修正されるなど、見通しが著しく悪化していると判断、5委員が利下げに賛成,2委員が金利据置きに賛成して票が割れた。
しかし中銀によるSelic金利の利下げ0.5%を決定する24時間前に、ジウマ・ロウセフ大統領はブラジルの金利の利下げサイクルの突入の可能性についてコメントしており、また2日前の29日にはギド・マンテガ財務相も今年のプライマリー収支黒字100億レアルの引上げでインフレ圧力低減を強調していたために、中銀への政治圧力による介入を疑っている。
ルーラ政権で8年間の中銀総裁を務めて中銀の中立性を頑なに主張していた、エンリケ・メイレーレス元中銀の続投を望んでいなかったジウマ大統領は、中銀総裁にトインビーニ氏を選んでいた経緯がある。
中銀の声明では米国やヨーロッパ諸国を中心とした多くの先進国経済の成長見通しが著しく悪化していると判断、また多くの先進国経済で見られる状況が予想より長引く公算が大きいと理解、これらの国々では金融政策を活用する余地は限定的であり、財政シナリオも制限されているために、これらの要因から世界的なシナリオは近い将来のディスインフレーションへの傾向を表している。
また海外状況のブラジル経済への影響は貿易縮小や投資フローの減速、より制限された信用状況、消費者と企業の景況感悪化などとなって、さまざまな形で具体化する可能性があり、海外情勢をめぐる複雑な状況は現在見られる国内の経済活動の鈍化プロセスをさらに急激なものにする見通しで、すでに成長見通しの下方修正となって表面化している。
これらの要因を検討して委員会は政策金利の緩やかな調整はより制限された世界的環境からの影響を現段階で和らげることになり、2012年のインフレ目標達成するものであると発表している。
今回の0.5%の利下げでブラジルのSelic金利は12.00%と2009年7月以来では初めて利下げに転じたにも関わらず、インフレ分を差引いた実質金利は6.3%と2位のハンガリーの2.8%を大幅に上回って、世界最高金利を維持している。
3位にはチリの2.3%、インドネシア2.0%、オーストラリア1.1%、コロンビア1.0%、メキシコ0.9%、台湾0.5%、ポーランド0.4%、南アフリカが0.2%で10位にランクされている。(2011年9月1日付けエスタード紙)