米国やヨーロッパを中心に世界経済がさらに悪化した場合に備えるために、連邦政府は歳出を抑制して高水準にある金利の引き下げを誘導する目的で、今年の財政プライマリー収支黒字をGDP比0.25%に相当する100億レアル引上げると発表した。
マンテガ財務相の発表は中銀や金融市場に対するメッセージではなくて、議会を念頭に置いたものであり、公共セクター労働者の賃金引き上げなど、インフレにつながる議員からの支出拡大要求を阻むことが主な目的とみられており、中期的な金利見通しの大幅な修正にはつながらないと見込まれている。
中銀の通貨政策委員会(Copom)では今月31日に政策誘導金利(Selic)を決定するが、ギド・マンテガ財務相のプライマリー収支黒字引上げ発表前は68%の金融スペシャリストは引き下げを予想、しかし発表後は50%まで低下した。
ABC地域の自動車メーカーの金属工のサラリー調整が10%、パラナ州の金属工のサラリー調整が20%を上回る可能性があり、国内消費の拡大や輸入製品と競合しないサービス部門の値上げによる、インフレ圧力の前ではSelicの引下げは先送りされる。
2012年は市長や市会議員などの地方選挙があり、また最低サラリー調整はインフレ指数の全国消費者物価(INPC)指数プラス2年前の国内総生産(GDP)伸び率で計算され、来年は13%の大幅調整が見込まれているために、Selic金利は当分の間、引き下げは難しいと予想されている。
今年の予算基本法(LDO)では社会保障院(INSS)、中銀並びに国庫庁で構成される中央政府のプライマリー収支黒字は818億レアルから100億レアル引上げの918億レアル、州政府並びに市町村の黒字は360億レアルに据え置かれた。
連邦政府は好調な雇用創出や実質賃金の上昇で好調な歳入と500億レアルに達する歳出拡大抑制策が奏功して、今年の財政黒字目標である1,180億レアルの達成に向けて順調に推移しており、7カ月間だけで目標の80%に達している。
今年の社会保障院(INSS)の赤字は95万人の連邦公務員の年金・恩給が大半を占めて570億レアルと教育省の予算に匹敵、国庫庁が赤字の埋め合わせを行い、昨年の赤字は510億レアルであった。(2011年8月30日付けエスタード紙)