昨日、ギド・マンテガ財務相は外資に対する金融取引税(IOF)の引上げやドル介入にも関わらず、先進諸国の実質的なゼロ金利や米国が2010年11月から2011年6月まで実施中の第2弾の量的金融緩和策QE2が終了したが、依然としてドル流入が続いているために、レアル高を阻止するための為替高抑制政策の導入を発表した。
マンテガ財務相のレアル高抑制政策導入の発表で過去6日間に亘って続いていたレアル高から昨日の終値は0.77%安のR$1.565に留まったが、数日前には1999年1月以来のレアル高の為替となっていた。
ブラジルは昨年からの国内消費の大幅増加、失業率の低下や実質賃金の増加でインフレ圧力懸念が強まっているために、今年すでに連続4回で政策誘導金利(Selic)の引上げを余儀なくされて、先進諸国との金利差がさらに拡大してきている。
実質金利が世界最高のブラジルに先進諸国で調達した低金利の資金をブラジルの金融市場で投資して利ざやを稼ぐキャリートレードの資金が大量に流入して、更なるレアル高の為替で輸出減少並びに輸入増加で貿易収支が悪化している。
今年のレアル通貨はドルに対してすでに5.95%値上がりしているために、マンテガ財務相は更なるレアル高に歯止めをかけるために金融市場に警告を発しており、輸出競争力を強化するために、昨年9月にマンテガ財務相が世界各国の政府が自国通貨の為替レートを引き下げようと競っていると「国際通貨戦争」が勃発していると発言して注目されていた。
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日、ギリシャの長期国債格付けを「B1」から3段階格下げて「Caa1」、またポルトガルの長期国債の格付けを投機的な水準である「Ba2」に引き下げると発表、海外投資家は安全で収益の高い投資先として、格上げされて堅調な持続的経済成長を続けるブラジルに資金を移動させている。
ブラジルはすでに海外投資金の短期の金融投資から長期の製造部門への投資を促すためにIOFの課税率を2回にわたって引き上げており、また中国やインドの経済成長率や国内消費が牽引して国際コモディティ価格が上昇して、ブラジルは輸出で大いに恩恵を受けている一方でドル流入に繋がっており、またドル介入は外貨準備金増加で利払いが増加するために、マンテガ財務相にとっては副作用を伴わないレアル高だけを阻止する有効なカードはあまりないと予想されている。(2011年7月6日付けエスタード紙)