格付け会社ムーディーズ・インベスターズ社はジウマ・ロウセフ大統領が主導する歳出削減の取り組みなどを評価して、ブラジルのソブリン格付けをBaa3からBaa2へ1段階引き上げ、見通しは「ポジチブ」に据え置かれた。
今年1月に就任したロウセフ大統領は昨年の国内総生産(GDP)伸び率が7.5%と過熱していたために、景気沈静化とインフレ抑制への対応で歳出500億レアル削減する方針を発表、従来の景気刺激型から景気抑制型に財政政策を修正した。
ムーディーズではバブルのような状況が発生しても、ブラジルの民間銀行などの自己資本比率が高水準であり、またブラジル信用市場が小規模なために連邦政府のバランスシートに与える影響はそれほどではないとみている。
ブラジルの格付けについてはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が先月、フィッチ・レーティングスは4月にそれぞれ引き上げており、今年の経済成長率はインフレコントロール下での持続的成長が可能なGPD4%から4.5%が見込まれている。
ブラジルが過熱感のない成長とプライマリー収支などの中期的な財政目標の達成に向けた取り組みを継続すれば、今後12カ月から18カ月間以内にさらなる格上げの可能性もあると予想されている。
中銀のアレシャンドレ・トンビーニ総裁はブラジルのソブリン格上げ決定はブラジルの経済政策の評価、持続的可能な経済成長率やインフレコントロールが評価された結果であると述べている。
またギド・マンテガ財務相は今回の格上げに対して、ジウマ大統領は非常に満足しているとコメント、今年の経済成長は連邦政府目標の4.5%の達成が可能であると述べている。
ブラジルの格付けBaa2はカザキスタンと同じであり、ラテンアメリカ諸国ではチリがAa3で最上位、メキシコがBaa1で1ランク上、コロンビア並びにペルーが1ランク下の Baa3、ボリビア並びにパラグアイがB1 、アルゼンチンがB3 、キューバがCaa1、 エクアドルがCaa2となっている。
BRICs諸国では中国がAa3、ロシアがBaa1とブラジルよりも格上、インドは1ランク下の,Baa3にランク付けされており、格付けトップのAaaはフランス、ドイツ並びに米国となっている。
現在、金融・財政部門の改善が自国の力のみでは達成出来ない可能性のあるヨーロッパのPIIGS諸国と呼ばれるポルトガルの格付けはBaa1 、イタリアAa2 、スペインAa2とブラジルよりも格上であるが、ギリシャ並びにアイルランドは格下となっている。(2011年6月21日付けエスタード紙)