世界貿易機関(WTO)が2009年に米国の綿花生産者対する補助金支払いに対する報復措置として、ブラジル綿花協会(IBA)に年間1億4,700万ドルの支払いを命じていたが、米国の下院では歳出削減の一環としてこの支払い停止を決定、今後は上院で審議される。
WTO紛争解決機関はブラジルが米国に対して報復措置を取ることを認め、IBAへの支払い並びに米国製品102品目に対して輸入関税の引上げを認めて、その額は総額8億2,900万ドルに達している。
ブラジルは米国の補助金で不当に安い綿花製品が市場に出回り、自国農家が被害を受けたとして2002年にWTOに提訴、2005年に米国の敗訴が確定、しかしブラジルは米国の改善措置が不十分だとして再提訴して再度勝訴した経緯がある。
米国の綿花補助金は難航している新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)でも主要論点の一つとなっており、米国は多数の途上国から削減を求められていた。米国の2012年の農業法では綿花生産者に対する補助金削減が決定されているために、ブラジルの綿花協会への支払い停止を余儀なくされている。
米国連邦政府の農業補助金は食料の安定供給を確保しながら、天候や市場価格、その他の要因によって生じる農業生産と農業収益の低下をサポートする安全ネットとして実施、この農業補助金はトウモロコシ・大豆・小麦・米・綿花の5つの主要農産物賀中心であり、米国内での議論は、「農業者にとって最も有利な政策は何であるか」を中心に議論が進められており、国際的な考慮はあくまで二次的なものにすぎない。(2011年6月17日付けエスタード紙)