2020年4月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフレ指数を考慮した実質財政プライマリー収支は929億200万レアルの赤字を計上、統計を取り始めた1997年以降では最高の赤字を計上、過去最高の赤字は2015年12月に計上した729億レアルを200億レアル上回る赤字計上となっている。2019年4月の財政プライマリー収支は65億2600万レアルの黒字を計上していた。
今年4月の中央政府の財政プライマリー収支赤字929億200万レアルの内訳は、国庫庁が592億7,800万レアルの赤字を計上、社会保障院INSSは333億8,100万レアルの赤字、中銀も2億4,300万レアルの赤字を計上している。
今年初め4か月間の中央政府の財政プライマリー収支は957億6,200万レアルの赤字計上、4月の過去12か月間ではGDP比2.58%に相当する1,895億レアルの赤字を計上している。
2020年の中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は1,241億レアルであったが、新型コロナウイルスのパンデミック危機に対する連邦政府の非常事態宣言(calamidade publica)で財政プライマリー収支の許容目標赤字はキャンセルされている。
今年4月の中央政府の歳入総額は前年同月比35.6%減少の821億7,400万レアルに留まった一方で、歳出総額は44.7%増加の1,750億7,600万レアルと大幅に拡大した影響で、赤字幅が過去最悪となっている。
連邦政府による今年4月の投資は前年同月比53.3%減少の28億7,400万レアル、今年初め4か月間の投資は前年同期比23.3%減少の96億5,800万レアルを記録している。
連邦政府の今年4月の連邦公社の配当金による歳入は、前年同月の2億8,050万レアルを約1億レアル上回る3億7,940万レアルを記録、特にBNBの配当金による歳入は1億3,030万レアルで最高の配当金を記録していた。今年初め4か月間の配当金による歳入総額は19億8,700万レアルを記録している。
今年4月の中央政府の歳入減少並びに歳出増加が継続すれば、今年の連邦政府の債務残高はGDP比93%に達する可能性が濃厚となってきている。