世界中で新型コロナウイルスのパンデミック対応に窮しているが、今年の連邦政府の財政プライマリー収支は、壊滅的な緊急財政支出を強いられるために3,500億レアルの赤字に達する可能性を国庫庁のMansueto Almeida長官は示唆している。
連邦政府や議会では、緊急時予算を取り扱う憲法改正案(PEC)並びに中銀はクレジットの直接購入などの対応で連日協議を続けている。
“再度言うが、今年の財政プライマリー収支は3,500億レアルの赤字を突破する。毎週赤字幅を見直している。4月から6月にかけて緊急財政支出政策導入で、歳入並びに歳出とも新型コロナウイルス感染措置対応策導入で大きなインパクトを受けるとMansueto Almeida長官は強調している。
2020年の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は1,241億レアルであったが、新型コロナウイルスのパンデミックの異常事態に対処するための非常事態宣言(カラミダーデ・プブリカ)では、財政プライマリー収支赤字1,241億レアルに抑える必要がなくなる。
今年の財政プライマリー収支が3,500億レアルの赤字はGDP比4.5%の赤字を記録、統計を取り始めた1997年以降では最高の財政赤字を記録、過去最悪の財政プライマリー収支赤字は、2016年の1,815億7,100万レアル相当の赤字でGDP比2.6%を記録していた。
今年の財政プライマリー収支赤字3,500億レアル予想には、零細・小企業向け簡易税務申告制度(Simples Nacional)による納税先延ばし並びに年金・恩給受給者向けの13か月目のサラリーの先払いが含まれている。
今年2月の連邦政府のインフレ指数を差し引いた実質財政プライマリー収支は258億レアルの赤字を記録、2月としては過去3年間で最高の赤字幅を記録している。
今年1月の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は441億2,400万レアルの黒字を計上、統計を取り始めた1997年以降では最高の財政プライマリー収支黒字を記録していた。
2002年の金融危機時のレアル通貨の暴落でブラジル国債は為替インデックスが40%を占めて連邦政府の財政プライマリー収支は大きな影響を受けたが、今年のブラジル国債に占める為替インデックスはわずか10%にとどまっており、また3,500億ドルを超える外貨保有高でドル高の為替は公共負債緩和の役割をする。(2020年3月30日付けエスタード紙サイトより抜粋)