新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、全国的な外出自粛処置の採用であらゆる産業部門を直撃しており、卸売業、製造業、運輸業、小売業、サービス業などにあらゆる分野の労働者が影響を被っている。
今月26日下院議会では、非正規雇用者、シングルマザーなどの女性の世帯主、個人・零細企業主、社会保障院(INSS)の審査待ちの勤労不可能な高齢者や障害者に対する最低賃金額を支給する継続扶助(Benefício de Prestação Continuada–BPC)申請者の救済目的の緊急補助金(auxílio emergencial)である月額600レアル支給を承認、上院議会での承認まちとなっていた。
昨日30日に上院議会では、先週下院議会で承認されていた緊急補助金政策を79人の上院議員の賛成票を獲得して承認。ジャイール・ボルソナロ大統領のサイン待ちとなっている。
この緊急援助政策の受給条件は、“非正規雇用者”、“18歳以上”、“年金・恩給や失業手当の非受給者”、“ボルサ・ファミリア以外の所得援助の非受給者”、“一人当たりの世帯収入が最低サラリーの半分に相当する522.5レアル以下”、“世帯収入が最低サラリーの3倍以下”並びに“2018年度の所得が2万8559.7レアル以下”などの条件が課されている。
貧困層向け生活扶助の家族手当(ボルサ・ファミリア)の場合は、家族当たり最大2人分の緊急補助金(auxílio emergencial)を受給できる。また“個人および零細企業主MEIとして営業活動”している人も含まれる。
休職中のDavi Alcolumbre上院議長の代理として、Antônio Anastasia (PSD-MG)副議長は、一刻も早くボルソナロ大統領の承認を得るために、上院議会での採決を急いでいた経緯があった。
“600レアルへの緊急補助金引上げは連邦政府の下院議会との対話姿勢のデモンストレーションであり、新型コロナウイルス感染からブラジル国民を守るための対話の活性化を望む”とRodrigo Maia 下院議長(DEM-RJ)は説明している。
新型コロナウイルス感染がまだ小規模にとどまっていた救済プロジェクト初期の支給額は月額200レアルで検討されていた。またパウロ・ゲーデス経済相傘下の経済班は下院議員との交渉で300レアルに引き上げていた経緯があった。
その後プロジェクト担当のMarcelo Aro下院議員(PP-MG)が500レアルへの上乗せ案を提示、昨日26日にジャイール・ボルソナロ大統領は、600レアルの引き上げにゴーサインを出していた。
この緊急補助金支給で恩恵を受けるのは3050万人の労働者であり、支給期間の3か月間での連邦政府の財政支出は598億レアルに達すると上院独立税制監査院(IFI)では試算している。
この緊急補助金テキスト作成担当のAlessandro Vieira (Cidadania-SE)上院議員は、2017年11月11日から施行された新労働法で労働形態が承認されている断続的(intermittent)労働者も受給対象にすることで最終テキストを作成した。
断続的労働とは、業種に関係なく勤務時間と休息時間が非連続的に時間、日、月単位で入り交じる雇用契約をさしているが、なお独自の法律を持つ航空業界は例外とされている。
断続的労働者としてウエイターや接客サービス担当などが含まれるが、新型コロナウイルスのパンデミックの現状では職を得るのは不可能に近い状況となっている。(2020年3月30日付けエスタード紙サイトより抜粋)