世界のビジネスや政治の改善に取り組む国際機関の世界経済フォーラム(WEF)が今月発表した「国際競争力レポート」によると、ブラジルの国際競争力は、イノベーションテクノロジーに対応する経済構造が非常に脆弱、制度並びにマクロ経済環境などが低評価となって、調査対象の140ヵ国中では前年の69位から72位にランクを下げている。
国際競争力レポートによる調査対象の世界140か国の競争力評価は、制度並びにインフラ、マクロ経済環境、健康と初等教育、高等教育と訓練、財市場の効率性、労働市場の効率性、金融市場の効率性、技術の成熟度、市場規模、ビジネスの洗練度、イノベーションの12柱項目ごとの評価を総合して導き出される。また政府の効率性や透明性についての経営者の98項目の調査結果を指数化して算定している。
ブラジル政府は、Eコマースや金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせたFinTech(フィンテック)に対する対応規制整備が遅れており、イノベーションテクノロジー対応項目では世界129位と非常に遅れているものの、ギリシアの135位並びにヴェネズエラの140位よりも上位に位置している。
ブラジルの競争力の総合評価は60ポイントで世界ランク72位、制度項目は50ポイントで93位、インフラは64ポイントで81位、マクロ経済環境は65ポイントで122位、健康と初等教育は80ポイントで73位となっている。
前記同様に技術の成熟度は56ポイントで94位、財市場の効率性は49位で117位、労働市場は51ポイントで114位、金融市場の効率性は63ポイントで57位、市場規模は49ポイントで117位、ビジネスの洗練度は52ポイントで108位、イノベーションは48ポイントで40位となっている。
2018年の国際競争力トップは米国、2位はシンガポール、3位はドイツ、続いてスイス、日本、オランダ、香港、英国、スエーデン、デンマークが10位となっている。
BRICs諸国の国際競争力比較では中国は28位、ロシアは43位、インド58位、南アフリカは67位、ブラジルは72位で最下位となっている。(2018年10月17日付けヴァロール紙)