ブラジル貿易協議所(Camex)では、為替危機に見舞われているアルゼンチンとの両国貿易への影響について綿密な調査を開始、アルゼンチン以外の南米諸国との貿易拡大を図っている。
アルゼンチンのGDP伸び率が1.0%減少すれば、今年のブラジルからアルゼンチン向け輸出は、4.4%減少の7億7,000万ドルの減少に結び付くとブラジル貿易協議所(Camex)は予想している。
また今年のアルゼンチン向け自動車輸出は、当初予想の90万台から20万台減少の70万台に留まると予想、自動車輸出のマーケットシェアは40%に減少する。
アルゼンチン政府のニコラス・ドゥホブネ財務相は、9月3日に財政収支の均衡を目的とした再建パッケージで、2019年並びに2020年の財政プライマリー収支目標を新たに設定、2019年はGDP比で0%、2020年は1.0%の黒字を達成すると発表している。
またアルゼンチン政府は、9月4日に政令793/2018号を公布して2020年12月31日まで、全ての消費財に対して12%の輸出税を課すと発表している。
1ドルが38アルゼンチンペソまで下落すればブラジルからアルゼンチン向け輸出は27.2%減少、アルゼンチンからの輸入も10.1%減少するとブラジル貿易協議所(Camex)では計算している。
アルゼンチンペソが10.0%切り下げればブラジルのアルゼンチン向け輸出は、4.0%減少するため今年のアルゼンチン向け輸出減少を補うために、パラグアイ向け輸出は2.2%、ボリヴィアは1.9%、チリ0.84%、カナダ0.63%、ウルグアイ向け輸出を1.8%それぞれ増加しなければならない。
両国間の自動車貿易を促進するため自動車の通関業務迅速化で合意、また完全な自動車貿易自由化は2020年末になると見込まれていたにも関わらず、アルゼンチン政府は2023年までの延長を要請している。(2018年10月10日付けヴァロール紙)