ミッシェル・テーメル大統領は、2019年の連邦公務員の給与・年金・恩給のインフレ指数を差引いた実質賃金(給与・年金・恩給)4.4%引上げを承認した影響で、国庫庁にとって69億レアルの歳出に繋がるとコンサルタント会社Tullet Prebon社チーフエコノミストのフェルナンド・モンテイロ氏は指摘している。
テーメル大統領による来年の連邦公務員の給与引上げ承認で、次期大統領は、2019年度だけで69億レアルの義務的経費増加で、公共投資などの裁量的支出削減を余儀なくされる。
2017年~2019年の連邦公務員向け給与・年金・恩給支出総額は、13.7%増加に相当する381億レアルに支出となる。2016年の連邦公務員向け給与調整は、インフレ指数を6.5%上回る調整、今年は2.3%予想、来年は4.4%が見込まれている。
2018年のブラジルのサラリーマンのインフレ指数を差引いた実質給与調整は、連邦公務員の給与調整率2.3%を0.1%上回る2.4%予想、平均失業率が12.4%で推移した今年第2四半期の給与調整は、前年同期と同じ1.1%であった。
連邦政府の義務的支出では、社会保障院(INSS)による年金・恩給などの支出が雪だるま式に赤字拡大して、早急な年金・恩給改革を余儀なくされているが、連邦公務員への給与支払い総額が年金・恩給総額負担に続いている。
連邦最高裁判所判事に対する16.38%の給与調整承認で、判事の給与は3万3,700レアルから3万9,200レアルに引き上げられる影響で、来年は14億レアルの義務的経費増加に繋がる。
次期大統領は来年の連邦公務員の給与引き上げの影響で、公共投資向け支出は、今年よりも300億レアルの削減を余儀なくされ、2017年の公共投資支出額を下回るとジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)のヴィルマ・ピント調査員は指摘している。
2017年の連邦政府の公共支出総額は457億レアル、今年上半期は212億レアル、2019年は350億レアルへの削減が余儀なくされると見込まれている。(2018年8月30日付けエスタード紙)