ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)による製造業部門経営者対象の景況感調査によると、2018年8月の工業信頼感指数(ICI)は、国内需要の低下並びに不透明な大統領選挙の行方などの要因で、0.4ポイント減少の99.7ポイントまで下げている。
今年8月の工業信頼感指数(ICI)が99.7ポイントまで減少して2017年1月に記録した99.4ポイントに接近しており、製造業部門企業経営者の投資意欲を削いでいる。
5月下旬から11日間継続したトラック運転手の国道封鎖抗議デモによる製造業向け部品や原材料供給が物流問題発生で操業停止を余儀なくされ、特に自動車部門や食品部門などが影響を受けていた。
製造業部門企業経営者の信頼感指数悪化の外的要因として、急速なドル高の為替、米連邦準備理事会(FRB)による金利引き上げ予想、米中貿易戦争、トランプ政権が表明したトルコに対する制裁関税方針によるトルコリラ暴落、アルゼンチンの大幅な金利引き上げなども企業経営者の信頼感指数悪化に結び付いている。
しかし8月の製造業部門企業経営者の景況感見通し指数は、製造業部門の失業率の改善予想に伴って、前月比0.3ポイント増加しているとFGV財団製造業部門担当のTabi Thuler Santos コーディネーターは説明している。
また景気回復の低迷による建設業界の失業率の高止まりなどの要因で、全国的に住宅販売が低迷している影響で、8月の建設業部門企業経営者の信頼感指数は、前月比1.6ポイント減少の79.4ポイントまで減少している。
全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の調査によると、今年8月の小売業部門企業経営者の景況感信頼指数(Icec)は、前月比2.5ポイント減少の103.7ポイントと昨年8月の103.1ポイント以降では最低を記録しているが、前年同月比では0.6ポイント改善している。
今年の自動車や建材を含む広範囲小売販売は、前年比4.5%増加を全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)では予想、経済リセッションに見舞われていた2015年~2016年の広範囲小売販売は、20%と大幅な落ち込みを記録していた。(2018年8月29日付けヴァロール紙)