ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2018年3月~5月の3カ月平均の失業率は、12.7%と前年同期の13.3%から大幅に減少しているにも関わらず、失業者総数は増加傾向を示している。
過去3年間以上継続した深刻な経済リセッションからの回復が非常に遅れており、回復が遅れている景気に伴って、就職活動を諦める労働人口が拡大しているために、見かけ上の失業率改善となっている。
今年3月~5月の失業者20万4,000人のうち11万5,000人のみが再就職活動を行っているとLCA Consultores社エコノミストのコスモ・ドナット氏は指摘している。
今年5月末の失業者総数は依然として1,320万人に達しており、また労働人口の6,541万3,000人が就職活動を諦めている。2018年2月~4月の月間平均失業率は、12.9%と前四半期の2017年11月~今年1月の12.2%から0.7%と大幅増加している。
2017年3月~5月の平均賃金は2,167レアル、2017年12月~2018年2月の平均賃金は2,200レアルに増加したが、2018年3月~5月の平均賃金は2,187レアルに減少している。
今年のGDP伸び率を前回予想の2.8%から1.7%と大幅な下方修正を余儀なくされており、今後の失業率増加は避けられないとテンデンシア・コンスルトリア社アナリストのチアゴ・シャビエール氏は憂慮している。(2018年6月30日付けエスタード紙)