日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)では、ブラジル国内での各産業の寡占化傾向に歯止める掛けるため、審査強化を行っていると弁護士事務所や投資銀行の調査で判明している。
2017年並びに2018年の経済防衛行政審議会(Cade)による企業買収・合併では9件が不合格、2018年のM&A不合格率は4.35%と過去5年間平均の不合格率1.4%を大幅に上回っている。
ブラデスコ銀行は2016年6月にHSBC銀行を買収したが、経済防衛行政審議会(Cade)では、同銀行の2019年までの銀行買収を禁止。またイタウー銀行は2017年8月にCitibankを買収したために2020年2月まで銀行の買収を禁止されているものの、XP Investimentos社の買収は、すでにCadeで審査されていたために、今年初めに承認されていた。
画像診断セクターのDasa e Fleury社は、2017年末までリオ州内での業界内の企業買収や合併を禁止、またUnimed社も市場の寡占化が危惧されている都市での健康保険プランや病院買収を禁止されている。
医薬品カプセル製造メーカーCapsugel社は、同業のGenix社及び業界内のメーカーの買収が禁止されている。またガラスメーカーNadir Figueiredo社も競合メーカーの買収を禁止されている。
建材大手メーカーTigre社は、塗料メーカー並びに刷毛メーカーの競合社のM&A禁止、またガソリンポスト網Ipiranga社並びにBR Distribuidora社、 Raizen社、 Alesat社に対して、合併などによる寡占化防止を警告している。
また小売大手のポン・デ・アスーカル社及びCarrefour社はWalmart社買収への参加禁止、小売チェーン網のA Maquina de Vendas社は、北東部地域での同業者買収、薬局チェーン網の RaiaDrogasil社は、南東部地域での同業者買収をそれぞれ禁止されている。
経済防衛行政審議会(Cade)は、家庭用ガス配給のLiquigas社並びに Ultragaz社、 Copagaz社、 Supergasbras社に対して、業界寡占化防止で競合社の買収を禁止している。(2018年5月28日付けヴァロール紙)