ペトロブラス石油公社は、過去10カ月間で石油製油所のディーゼル燃料の税金を除いた1リットル当たりの卸売価格R$1.5006から56.5%上昇のR$2.3488に達して、ディーゼル燃料価格値下げを要求して、昨日21日に全国のトラック運転手は、主要国道で抗議デモを行った。
ペトロブラスでは、2016年10月の石油派生品の卸売価格決定のために市場価格決定グループを設立、石油派生品の国際コモディティ価格やレアル通貨に対するドル為替の変動、国内の石油派生品需要などを加味して価格決定を実施している。
ペトロブラスは、連邦政府の要請でインフレ指数を抑制するために2011年~2014年にかけて燃料価格を据置いた影響で、非常に膨大な損害を被っていたとブラジル・インフラストラクチャーセンター(CBIE)では、ジウマ政権での石油価格政策を指摘している。
自営業運転手協会(CNTA)のジウマル・ブエノ会長は、減税政策などの導入による運輸業者向け特別ディーゼル燃料価格設定を要請しており、昨日に続いて今日も連邦政府では、ディーゼル燃料価格引下で会合を持つ予定となっている。
先週、ペトロブラスによる石油派生品の卸売価格決定政策に則って、ディーゼル燃料価格は、石油の国際コモディティ価格並びにレアル通貨に対するドル変動の影響で、4回連続で値上げされていると国家原油庁(ANP)のエルデール・ケイロース元取締役は説明している。
国道警察(PRF)の発表によると、昨日21日、19州の国道の124カ所で抗議デモが行われたと発表、またサンパウロ州やサンタ・カタリーナ州の州道127カ所でも抗議デモが行われたと自営業運転手協会では発表している。
今年の石油の国際コモディティ価格上昇要因として、地政学的な要素が強く、5月17日に1バレル当たりの石油価格は、2014年11月以来初めて80ドルを突破したが、昨日21日は79.22ドルに下げている。
今年初め第1四半期の1日当たりの世界の石油需要は180万バレル増加している一方で、ヴェネズエラ政府の投資金不足で、1日当たりの石油生産量は2016年の250万バレルから現在では150万バレルと大幅に減少している。
また米国のイラン核合意からの離脱などの要因で、今年第2四半期のイランの石油生産は25万バレル減産、来年は50万バレルの減産の可能性が予想されて、1バレル当たり80ドルを維持すると予想されている。
GO Associados社では、石油の国際コモディティ価格上昇並びにドル高の為替による今年のインフレ指数へのインパクトは0.43%に留まると予想、今年のインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)は、3.5%から3.93%に上昇する可能性を指摘している。
またTendencias Consultoria Integrada社エコノミストのマルシオ・ミラン氏は、石油価格並びにドル高為替のインフレ指数へのインパクトは0.30%に留まって今年のIPCA指数は3.70%を予想している。(2018年5月22日付けエスタード紙)