今年3月のブラジルの経常収支は、中銀の予想2億ドルを大幅に上回る7億9,800万ドルの黒字計上、また中銀では4月の経常収支も15億ドルの大幅な黒字計上を見込んでいる。
2017年のブラジルの経常収支は、GDP比0.47%に相当する赤字を計上したが、今年はGDP比1.09%に相当する赤字予想、3月の過去12カ月間の経常収支はGDP比0.41%に相当する83億3,700万ドルの赤字を計上している。
中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は、景気回復の遅延予想で前回予想の2.89%から2.75%に下方修正されたが、昨年のGDP伸び率を大幅に上回るために、今年の経常収支赤字は拡大すると予想されている。
2017年3月の経常収支は13億8,600万ドルの黒字、2018年3月は7億9,800万ドルの黒字を計上、前記同様に貿易収支は69億3,100万ドルの黒字、59億7,400万ドルの黒字、そのうち輸出は200億4,800万ドル、200億6,100万ドル、輸入は131億1,800万ドル、140億8,700万ドルであった。
また前記同様に観光並びに輸送、通信、建設情報サービスなどを含むサービス収支は、25億1,700万ドルの赤字、27億7,600万ドルの赤字を計上。米国の金融引き締め政策や10月の大統領選挙などの要因でドル高傾向が予想され、今年のサービス収支は、赤字拡大が予想されている。
2017年3月の経常収支のうち所得収支は7億5,700万ドルの黒字計上、今年3月も10億4,700万ドルの黒字計上している。前記同様そのうち対外直接投資はマイナス1,200万ドル、3億2,200万ドルの黒字を計上している。
前記同様に海外投資家による対内直接投資は70億6,000万ドル、65億3900万ドル、そのうち金融投資はマイナス14億4,900万ドル、7億9,250万ドル、株式投資はマイナス22億7,100万ドル、マイナス41億100万ドル、国債などの確定金利付き投資は8億2,200万ドル、マイナス38億2,400万ドルであった。
今年第1四半期の対内直接投資総額は、177億ドルで昨年同期の237億8,100万ドルから60億ドルも減少している。中銀では今年4月の対内直接投資を30億ドルと予想して、昨年同月の55億ドルから大幅減少を予想している。
2014年のブラジルの経常収支は、GDP比4.24%の大幅赤字を計上していたが、2015年の経済リセッション並びにドル高の為替の影響で、経常収支の赤字幅は大幅に減少、経常収支黒字は、海外の金融危機に対する免疫強化に繋がると中銀のIlan Goldfajn総裁は説明している。(2018年4月26日付けヴァロール紙)