今月11日に前職のエンリケ・メイレーレス財務相から後任に指名されたエドゥアルド・グアルジア財務相は、今年初めに採択が先送りされた年金・恩給改革が来年中に実施されなければ、連邦政府の財政プライマリー収支赤字は、2021年まで継続すると警告している。
財務省では、年金・恩給改革が2019年中に実施されなければ、来年の社会保障院(INSS)の累計赤字は2,000億レアルを突破、2021年には2,666億レアルに達して、国家財政の破産寸前まで到達すると警告している。
今年10月の大統領選挙で選ばれる新大統領は、来年早々の年金・恩給改革や税制改革の着手、一連の連邦公社の積極的な民営化推進で、待ったなしの財政立て直しを余儀なくされる。
2019年の社会保障院(INSS)の年金・恩給などの支出は、インフレ指数を7.27%上回ると予想、また連邦公務員向けサラリーの支出は、インフレ指数を6.42%上回ると予想されているために、300億レアルの更なる公共投資削減を余儀なくされているとエステヴェス・コルナーゴ企画相は説明している。
連邦政府の財政プライマリー収支は、2014年から赤字を継続しているにも関わらず、早々の年金改革の実施で、2021年には100億レアルの黒字に転換すると昨年8月にジオゴ・オリヴェイラ企画相は強調していた。
2018年度の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は、1,590億レアル迄の赤字が許容されている。また2019年も1,390億レアルの赤字が連邦基本予算(LDO)で承認されているが、2020年は1,100億レアル、2021年は700億レアルの赤字が予想されている。
また今年の連邦公社の赤字は35億レアルまで認められており、2019年も35億レアルの赤字が承認されている。2020年は37億レアルの赤字、2021年は40億レアルの赤字が予想されている。
また今年の地方政府(州・市)の財政プライマリー収支は12億レアルの黒字、2019年は105億レアルの黒字目標が設定されている。2020年は140億レアル、2021年は175億レアルの黒字がそれぞれ見込まれている。
今年の中央政府並びに地方政府の財政プライマリー収支は1,613億レアル、2019年は1,320億レアルの赤字がそれぞれ承認されているが、2020年は997億レアル、2021年は565億レアルの赤字がそれぞれ見込まれている。
また今年の社会保障院(INSS)の累積赤字予想はGDP比2.81%、2019年はGDP比2.76%、2020年はGDP比2.92%、2021年は、GDP比3.08%に相当する2,666億2,500万レアルに達すると宇尾相されている。
今年の最低サラリーは954レアルに設定されており、2019年は1,002レアル、2020年は1,076レアル、2021年は1,153レアルがそれぞれ見込まれている。(218年4月13日付けエスタード紙)