ペトロブラス石油公社や連邦貯蓄銀行(Caixa)などは、独自の年金ファンドを設立して、労働者が積み立てた資金を多方面に投資して運用益を得ていた。しかしこれらの年金ファンドは、投資先の事業失敗や資金回収ができないなどの理由で巨額の赤字を抱えて窮地に陥っている年金ファンドが多く存在している。
2017年9月までの年金ファンドの運用失敗による赤字総額は420億レアルに達しており、赤字の80%に相当する330億レアルは、9公社の年金ファンドの運用失敗による赤字を記録している。
今後年金ファンドでは、ブラジル証券取引委員会(CVM)に登録されている監査役や公認会計士による定期的な監査を受ける必要があり、国家年金審議会(CNPC)では、連邦貯蓄金庫年金基金(Funcef)並びにブラジル銀行年金ファンド(Previ)、郵便局年金ファンド(Postalis)など大手17年金ファンドに対して、監査委員会設置を義務付けている。
ブラジル民間非公開年金協会(Abrapp)のルイス・リカルド・マルチンス会長は、2018年末までに大手年金ファンドは監査委員会の設置を行わなければならないと説明している。
過去数年、ブラジル銀行員年金ファンド(Previ)とペトロブラス従業員年金ファンド(Petros)、連邦貯蓄銀行員年金ファンド(Funcef)、郵便公社従業員年金ファンド(Postalis)は、総額で数百億レアルにも達する信じ難い累積損失を計上してきていた。
今後の年金ファンドの運用監査強化で、社会保障院総裁直属の国家民間年金庁(Previc)だけが責任を負うというものではなく、金融取引を監督する証券委員会(CVM)もサポートして、運用監視を強化する。(2018年4月4日付けエスタード紙)