世界銀行の「雇用と成長」レポートによると、連邦政府がメルコスールとヨーロッパ連合などとの自由貿易協定並びに年金・恩給をはじめとした構造改革を推進すれば、ブラジル国内の600万人が貧困層から脱出できると指摘している。
自由貿易協定並びに構造改革推進でブラジルの国内総生産(GDP)伸び率は、更に1.0%上昇して40万人分の新規雇用に繋がると世界銀行チーフエコノミストのMark Dutz氏は指摘している。
また連邦政府による自由貿易推進で、メルコスール域外の輸入関税を50%カット並びにメルコスール域内のセーフガードを撤廃すれば、輸出総額は7.5%増加、輸入総額は6.6%増加して、ブラジルの貿易活性化に繋がると予想している。
連邦政府による自由貿易を推進するためには、税制システムの簡素化、優遇税制の見直し、補助金カット、経済並びに金融システムの競争力強化、教育制度並びに労働システムの改善、最先端テクノロジー導入による生産性の向上などの実施が不可欠となっている。
自由貿易協定並びに構造改革推進で、失業率上昇への歯止め、社会格差の解消に繋がるが、他ブロックとの自由貿易協定締結や構造改革が推進されなければ、今年のブラジルのGDP伸び率2.0%は、2030年には1.3%に留まると警告している。
2018年のブラジルの経済成長率は、メルコスールとEUとのEPA締結がなく、年金改革が行わなければ僅かGDPは1.81%に留まり、2050年のGDP伸び率は、0.73%に留まると予想されている。
また生産性が年間2.5%増加すれば2018年のGDP伸び率は2.52%増加、2050年GDP伸び率は0.99%に留まると予想。生産性が年間2.5%増加並びに投資比率が17.0%から25.0%に伸びれば、2018年のGDP伸び率は4.36%増加、2050年GDP伸び率は、4.51%増加すると予想されている。(2018年3月8日付けエスタード紙)