2017年のブラジルの国内総生産(GDP)伸び率は、2015年並びに2016年がそれぞれマイナス3.5%と深刻な経済リセッションに陥っていたが、大豆並びにトウモロコシなどの穀物生産が記録更新で牽引した影響で1.0%増加を記録、ブラジルは昨年から経済回復サイクル突入が明確になっている。
2017年のブラジルGDP伸び率の内訳では、農畜産部門の生産伸び率は、前年比13.0%と二桁台の伸び率を記録した一方で、鉱工業部門のGDP伸び率は同率、サービス部門は僅か0.3%増加に留まっている。
また昨年の一般家庭の消費伸び率は1.0%、公共支出はマイナス0.6%、宅投資並びに設備投資、公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)はマイナス1.8%、輸出は5.2%増加、輸入は5.0%増加している。
昨年第2四半期の一般家庭の消費伸び率は、2015年末までに正当な理由で解雇されたり、辞任を申し入れたりして会社を辞めた人が、退職後も引き出せずにいた勤続期間保障基金(FGTS)に積み立てられた凍結預金の引き出しが今年3月10日から開始、7月31日で終了した凍結預金450億レアルが消費に回ったことで、昨年第2四半期の一般家庭の消費伸び率は、前四半期比1.2%増加、第3四半期は1.1%増加したが、昨年第四半期の一般家庭の消費伸び率は、前四半期比ではわずか0.1%に留まった。
過去最低となる政策誘導金利(Selic)の7.0%割れ、失業率の好転、連邦政府の許容範囲を下回るインフレ指数による一般消費者の購買力増加や負債軽減、緩和されるクレジット向け与信などの要因で、今年の一般消費の伸び率は2.0%~2.5%増加、またGDP伸び率は2.2%増加をHaitong社では予想している。
Goldman Sachs社エコノミストのアルベルト・ラモス氏は、2017年の第1四半期のGDP伸び率は1.3%、第2四半期は0.6%、第3四半期は0.2%、第4四半期は0.1%と伸び率が減少傾向を示しているにも関わらず、2018年のGDP伸び率を2.5%増加と予想している。
2017年第4四半期のGDP伸び率は前四半期比0.1%増加、前年同四半期比では2.1%増加、2017年は1.0%増加、前記同様に農畜産部門は0%、6.1%増加、13.0%増加、鉱工業部門は0.5%増加、2.7%増加、0%、サービス部門は0.2%増加、1.7%増加、0.3%増加している。
また前記同様に一般家庭の消費伸び率は0.1%増加、2.6%増加、1.0%増加、公共支出は0.2%増加、マイナス0.4%、マイナス0.6%、国内総固定資本形成(FBCF)は2.0%増加、3.8%増加、マイナス1.8%している。
Barclys Reseach社の調査によると、2017年の世界の平均GDP伸び率は3.9%増加を記録、中国のGDP伸び率が6.9%を記録、トルコ6.8%、インド6.1%、Brics諸国平均は5.7%、新興国の平均GDP伸び率は5.2%を記録してそれぞれ5.0%を上回った。
2017年の先進諸国の平均GDP伸び率は2.2%増加を記録、米国2.3%、アルゼンチン2.8%、コロンビア並びに日本は1.6%、ヨーロッパ連合諸国平均は2.5%、ドイツ2.5%、英国1.7%、ロシアは1.5%増加を記録していた。(2018年3月2日付けヴァロール紙)