世界で最も労働者に手厚い保護を70年以上に亘って継続していたブラジルの労働法は、2017年11月11日から新労働法が施行されたが、新労働法施行後の月間平均の労働訴訟件数は大幅に減少している。
ブラジル国内の新労働法施行前の月間平均労働訴訟件数は、20万件を突破していたにも関わらず、新労働法施行後の2017年12月の労働訴訟件数は8万4,200件に留まり、新労働法では敗訴側が訴訟費用の負担を余儀なくされるために、労働訴訟に対して慎重になっている。
新労働法が施行された2017年11月の労働訴訟件数は、既得権利獲得のための駆け込み需要の影響で28万9,400件に達し、月間平均労働訴訟件数の20万件を大幅に上回っていた。
2017年12月のブラジル国内の24カ所の地方労働裁判所のうち訴訟件数が1,000件を下回ったのは、ロンドニア州並びにアクレ州を管轄する第14地方労働裁判所、セルジッペ州管轄の第21地方労働裁判所、北大河州管轄の第21地方労働裁判所、ピアウイ州管轄の第22地方労働裁判所、南マット・グロッソ州管轄の第24地方労働裁判所だけであった。
ブラジルで最も労働訴訟件数の多い大サンパウロ圏並びにサントス沿岸地域を担当する第2地方労働裁判所の昨年11月以前の1日当たりの平均労働訴訟件数は3,000件に達していたものの、新労働法施行後は500件以下に減少している。(2018年2月4日付けエスタード紙)