2017年の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は、予想を大幅に下回る1,244億レアルの赤字に留まった影響で、国庫庁では2018年のゴールデン・ルール達成のためには2,086億レアルの歳入確保が避けられない。
ゴールデン・ルールとは、景気循環を通じて連邦政府の借入れの目的を投資目的に限定し、公務員給与や年金・恩給向けなどの経常的経費を目的とする借入れを行わないとするものであり、国債発行は、発行額を規定した連邦基本法による裏付けを必要とし、その額は予算において見積もられている投資支出総額を超えてはならないと規定されている。
連邦政府は、昨年8月に2017年度の中央政府の財政プライマリー収支の許容赤字を前回の1,390億レアルから200億レアル上積みの1,590億レアル、2018年度の財政プライマリー収支の許容赤字を前回4月予想の1,290億レアルから300億レアル上積みの1,590億レアルで国会に提出していたにも関わらず、2017年の財政プライマリー収支赤字は1,244億レアルに留まった。
昨年の財政プライマリー収支赤字が1,244億レアルに留まった要因として、社会経済開発銀行による国庫庁に対する500億レアルの供与金を返済した。そのために2018年には財政プライマリー収支の288億レアルに達する赤字補填が可能となる。
2017年の連邦政府の公共投資支出は、GDP比0.69%に相当する457億レアルに留まって、2016年のGDP比1.04%から大幅に減少したと国庫庁のアナ・パウラ・ヴェスコヴィ長官は説明している。
ジウマ・ロウセフ政権時の2011年の中央政府の財政プライマリー収支は、930億レアルの黒字を計上、2012年861億レアル、2013年753億レアルの黒字を計上していた。
しかし経済リセッションに突入した2014年の財政プライマリー収支は、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ政権時の1997年の赤字計上以来17年ぶりの205億レアルの赤字を計上していた。
また翌年2015年の財政プライマリー収支は1,167億レアルの赤字に拡大、2016年1,595億レアルの赤字で記録更新していたが、2017年は1,244億レアルの赤字に縮小している。
社会経済開発銀行(BNDES)は、1月上旬に連邦政府に国庫庁からの1,300億レアルに達する供与金返済プログラムを提示、今年上半期に300億レアル、残り1,000億レアルは今年下半期に返済することで合意。またその他の支出見直しで483億レアルの支出削減が可能と国庫庁のアナ・パウラ・ヴェスコヴィ長官は説明している。(2018年1月30日付けヴァロール紙)