先週ブルッセルを訪問していたBlairo Maggi農務相は、Estado紙のインタビュに答えて、ヨーロッパ連合(EU)とメルコスールの自由貿易協定締結は、EU側の真剣みの取組のなさで非常に困難を極めていると半分匙を投げたコメントしている。
世界経済フォーラム(WEF)の年次総会であるダボス会議に出席予定で、ブラジル農業のイノヴェーション技術を発表する予定のBlairo Maggi農務相は、ヨーロッパ連合代表はメルコスールとの自由貿易協定締結に会合には義務で出席しているだけで、自由貿易協定締結のための譲歩に繋がっていないと指摘している。
食肉並びに砂糖の輸出でヨーロッパ連合に大幅に譲渡しているにも関わらず、昨年9月のヨーロッパ連合の非公式会合では、メルコスールに対して年間7万トンの食肉並びに60万トンのエタノールの輸入関税撤廃を提示したにも関わらず、メルコスールにとっては、到底受け入れられない非輸入関税枠になっているブラジル並びにアルゼンチン政府代表は指摘している。
ヨーロッパ連合は、メルコスール域内のブラジル並びにアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイから年間10万トンの砂糖の輸入枠設定を準備しているにも関わらず、1トン当たり98ユーロの輸入関税をかけるために、メルコスールでは、到底受け入れられるものではなく平行線をたどっている。
ヨーロッパ連合とメルコスールの自由貿易協定締結の交渉は1999年開始、2004年に自由貿易協定締結の寸前まで達したが決裂、2016年に交渉を再開、テメル大統領は昨年12月の合意を目指していたが、交渉が決裂している。
ヨーロッパ連合の中でもメルコスールからの食肉輸入枠拡大に反対しているのはフランスやアイルランドの食肉生産国が中心となっている。ヨーロッパ連合は、年間平均25万トン前後の食肉を輸入しているが、輸入食肉の大半はメルコスールからであると指摘している。(2018年1月24日付けエスタード紙)