インダストリー4.0は製造業の高度化を目指すコンセプトであり、生産工程や流通工程のロボット採用による自動化やデジタル化促進で、生産や流通の自動化、バーチャル化を大幅に高めることで、生産コストと流通コストを極小化し、生産性を向上させることを狙いとしている。
ブラジル国内では、インダストリー4.0促進プログラム(Programa Rumo à Indústria 4.0)は、FIESP(サンパウロ州工業連盟)、サンパウロ州工業センター(CIESP)、全国産業職業訓練機構サンパウロ支部(SENAI-SP)並びにブラジル商工サービス省(MDIC)傘下にあるブラジル産業開発庁(ABDI)のブラジル官民合同事業であるが、僅かに2.0%のブラジル企業がインダストリー4.0プログラムを採用しているに過ぎない。
今後10年間でブラジル企業の15%がインダストリー4.0のコンセプト採用で第4次産業革命に突入すると予想されているが、2018年はインダストリー4.0の夜明けになると見込まれている。
輸出総額に占める中小企業の割合が日本の8%に対して、ドイツは30%以上もあり、特定の系列や下請けに甘んじずに、独立独歩で活躍する中小企業が多いドイツでは、国を挙げてインダストリー4.0を推進している。
ドイツや韓国、米国、イスラエルではすでにインダストリー4.0のコンセプトを採用している企業の比率は、10年後のブラジルの目標である15%以上に達している。
ドイツは2010年にハイテク戦略2020および「インダストリー4.0」を含む未来プロジェクトを発表、2020年以降には工場の生産工程が繋がり、さらには、販売店と工場、流通経路など、モノやサービスに関わるすべての施設が企業や国の垣根を越えてネットワークで繋がる社会になると予想されている。
ネットワークで繋がる社会になると、大量生産型の方が価格を抑えられるという、これまでの常識は脆くも崩れ、オーダーメイドでも大量生産品と同等の価格で製品を製造できるようになる。工場が変われば労働者の生活が変わり、価格や物流の変化が消費者の行動を変える。新しいビジネスモデルが誕生し、社会が変わる第4次産業革命に繋がると予想されている。(2018年1月15日付けエスタード紙)