昨日10日、ブラジル地理統計院(IBGE)は、2017年度公式のインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)を発表、昨年12月のIPCA指数は0.44%と市場の予想を上回ったにも関わらず、2017年のIPCA指数は2.95%に留まって1998年以降では最低のインフレ指数を記録している。
2017年度のIPCA指数2.95%は、連邦政府が容認しているインフレ中央目標値4.5%の±1.5%となる許容上限値6.0%~許容下限値3.0%を外れたために、中銀のイラン・ゴールドファジン総裁は、メイレーレス財務相にインフレ指数が許容範囲を外れた理由を公式文書での説明を余儀なくされた。
中銀のイラン・ゴールドファジン総裁のメイレーレス財務相に充てた公式文書では、昨年の穀物生産の記録更新で食料品価格の大幅な値下がりがなければ、昨年のインフレ指数は、連邦政府のインフレ中央目標値4.5%に接近する4.54%になっていたと弁明している。
2017年度のIPCA指数のうち10アイテムがIPCA指数の87%を占めた一方で、2016年度のIPCA指数のうちこの同じ10アイテムが占めた比率は32%にしか過ぎなかった。
10アイテムのうち健康保険プラン並びに石油・天然ガス派生品、電力エネルギー料金のそれぞれの大幅値上げが特出していたとブラジル地理統計院(IBGE)インフレ担当のフェルナンド・ゴンサルヴェス部長は説明している。
厚生省管轄の国家民間補充医療保健サービス監督庁(ANS)が許可した健康保険プランの13.53%の平均値上げ幅は一般家庭の家計を直撃して、数えきれない健康保険プランの解約やより安価な健康保険プランへの移動を余儀なくされた。
またペトロブラス石油公社による燃料価格に対する徴収政策の見直しで、石油や天然ガスの国際コモディティ価格連動政策並びにドルの為替連動政策の導入でガソリン価格は10.32%値上げ、プロパンガスも16.0%値上げされていた。
また電力エネルギー料金も旱魃の影響による水力発電所の貯水量低下に伴って、コストが最も高い火力発電所の稼働率の上昇に伴って、国家電力エネルギー庁(ANNEL)が10.35%の値上げを許可していた。
しかし昨年の健康保険プランの13.53%の値上げ並びにガソリン価格10.32%値上げ、プロパンガス16.0%値上げ、電力エネルギー料金の10.35%の値上げにも関わらず、昨年の穀物生産が記録更新した影響で、食料品価格はマイナス1.87%を記録、食料品価格は、統計を取り始めて以来では初めてデフレを記録している。
昨年12月のIPCA指数が0.44%と市場の予想を上回った要因として、航空料金並びにガソリン価格の値上げ、また食料品も値上がりしたが、昨年12月6日に開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)では、政策誘導金利 (Selic)を7.5%から0.5%切下げて7.0%に決定、今年中には更に0.25%の引下で6.75%になると大半の金融市場関係者は予想している。(2018年1月11日付けエスタード紙)