2017年10月の過去12カ月間のブラジルのインフレ指数である消費者物価指数は、僅かに2.8%に留まって、メキシコ並びにコロンビア、マレーシアを下回っており、また英国の今年11月の過去12カ月間のインフレ指数3.1%を下回っている。
The Economist社の39か国対象の今年10月の過去12カ月間の消費者物価指数調査で、最もインフレ指数が高かったのはエジプトの30.8%、次いでアルゼンチン22.9%、ウクライナ14.6%、トルコは13.0%それぞれ二桁台のインフレ指数を記録している。
インフレ指数を公表していないヴェネズエラの今年のインフレ指数は、ヴェネズエラ政府がコントロールできない1133%に達すると国際通貨基金(IMF)は予想している。
2016年8月の過去12カ月間のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は9.0%を記録したが、昨年1年間のIPCA指数は6.3%、3年近い経済リセッションによる景気低迷や食料品価格の下落、政策誘導金利の継続する切下げ、レアル通貨に対するドル為替の変動などの影響を受けて、今年のIPCA指数は2.8%に留まると予想されている。
今年のIPCA指数は、連邦政府が容認しているインフレ中央目標値4.5%の±1.5%となる許容上限値6.0%~許容下限値3.0%を下回った場合、中銀のイラン・ゴールドファジン総裁は、メイレーレス財務相にインフレ指数が許容範囲を外れや理由を説明しなければならない。
また英国中銀のMark Carney総裁も今年11月の過去12カ月間のインフレ指数が3.1%を記録して、インフレ中央目標値2.0%±1.0%を外れた理由を説明する必要がある。
英国は、EU離脱を意味するブレグジット(Brexit)の正式な交渉開始の影響で、英国通貨のポンドが下落した影響を受けて、今年のインフレ指数が大幅に上昇している。
しかし今年10月若しくは11月の過去12カ月間の先進諸国のインフレ指数は安定しており、日本は僅かに0.2%、シンガポール0.4%、ギリシア0.7%、スイス0.8%、イタリアは0.9%とそれぞれ1.0%以下のインフレ指数に留まっている。
前記同様にメキシコのインフレ指数は6.4%、南アフリカ4.8%、コロンビア4.1%、パキスタン4.0%、マレーシア3.7%、インド3.6%、インドネシア及びフィリピン、3.3%、チェコが2.9%でブラジルの2.8%をそれぞれ上回っている。
ブラジルの2.8%を下回ったのは、ロシア並びにポーランドの2.5%、オーストリア並びにハンガリー2.2%、ベルギー2.1%、米国2.0%、チリ並びに中国1.9%、ドイツ1.8%、スエーデン1.7%、スペイン1.6%、ペルー並びにデンマーク1.5%、カナダ1.4%、オランダ並びに韓国1.3%、フランス並びにノルウエー1.2%、タイは1.0%であった。
昨年末の今年のインフレ予想は4.87%であったにも関わらず、今年のIPCA指数が2.8%に留まる要因として、3年近い経済リセッション並びに食料品価格のデフレが大きく影響しているとボトランチン銀行チーフエコノミストのロベルト・パドヴァーニ氏は説明している。
パドヴァーニ氏は2018年のIPCA指数を4.2%、Goldman Sachs銀行のアルベルト・ラモス取締役は4.4%をそれぞれ予想、またパドヴァーニ氏は、2019年のインフレを4.25%、2020年は4.0%を予想している。(2017年12月13日付けヴァロール紙)