世界で最も手厚いとされているブラジルの失業保険制度と年金制度は、財政悪化の大きな要因となっているために、2015年にジウマ大統領は、財政立て直しと海外投資家の信頼回復のため、失業保険申請の要件厳格化など支出抑制策を導入した。
今年初め10カ月間の失業保険受給者は、前年同期比8.2%減少の553万人まで減少して世界金融危機前の2008年の水準まで減少、失業保険受給者は前年同期比では49万2,700人の減少を記録している。
今年初め10カ月間の失業保険支給総額は、失業保険申請条件の厳格化以外にも経済リセッションからの回復による失業者の減少に伴って290億レアルと前年同期比1.2%減少している。
今年初め10カ月間の失業保険申請に対する承認率は、95.2%と失業保険申請の要件厳格化が導入された2015年の94%を上回っているが、2011年までの平均承認率98.0%以上を大幅に下回っている。
2013年初め10カ月間の失業保険受給者は700万人、2014年は720万人、2015年640万人、2016年は600万人、今年は550万人まで減少している。(2017年12月5日付けエスタード紙)