中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の2017年10月の財政プライマリー収支は、レパトリアソン法による450億レアルに達する臨時歳入を計上した前年同月比87.6%減少の51億9,100万レアルの黒字を計上している。
今年初め10カ月間の中央政府の財政プライマリー収支は、1,032億4,300万レアルの赤字を計上しているにも関わらず、今年11月並びに12月はコンセッション入札などによる臨時歳入の経常で大幅に改善すると予想されている。
連邦公務員の給与調整先送りによる74億レアルの歳出削減並びに鉱工業セクターに対する社会保障院(INSS)への従業員給与額の納付率免税の見直しによる140億レアルの歳出削減に結び付く国会での法案承認を国庫庁のアナ・パウラ・ヴェスコヴィ長官は見込んでいる。
今年初め10カ月間の中央政府の財政プライマリー収支赤字1,032億4,300万レアルは、前年同期比65%増加、1997年以降では最大の財政プライマリー収支赤字を計上している。
アナ・パウラ・ヴェスコヴィ長官は、今年初め11カ月間の中央政府の財政プライマリー収支赤字は1,090億レアル、今年12月末には、2017年の財政プライマリー収支赤字は、連邦政府の許容上限値の1,590億レアル前後に留まると予想している。
今年11月にはミナス・ジェライス電力公社(CEMIG)傘下の水力発電所入札による120億レアルの臨時歳入、12月には今年9月に実施された陸上の堆積盆地を中心としたオンショア鉱区並びに岩塩層上(ポストソルト)油田鉱区の第14回石油・天然ガス入札による130億レアル、今年上半期に実施された投資パートナーシッププログラム(PPI)によるサルバドール空港並びにポルト・アレグレ空港、フロリアノポリス空港、フォルタレーザ空港の民営化入札の30億レアルの臨時歳入が見込まれている。
しかし今年10月の社会保障院(INSS)の赤字は138億300万レアル、今年初め10カ月間の赤字は1,152億2,100万レアルに達して、中央政府の財政プライマリー収支赤字の55.4%を占めているために、中央政府の財政プライマリー収支赤字改善のためには、早急な年金・恩給改革が不可欠となっている。(2017年11月29日付けヴァロール紙)